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Q 強制受精で生まれる私
第8章 3.0度目
「あぁ。横になる前に、一つ確認したいことがあるのですが…」

 私はビクリとして反射で上半身を起こす。確認したいこと? まさかカメラのことを勘繰られた!?

「浜園さん、ここに来るまでにトイレは済ませて来ましたか?」

「…は? トイレ?」

 突飛な質問をされ、思わず聞き返してしまう。何だろう、それが何か関係あるのだろうか。先生は私に背を向けて机に向かい、質問の続きをする。

「いやですね。前回の治療の時に膣を濡らすためにマッサージしたら、漏らしてしまったではないですか。一応シートを敷いといたとはいえ、後処理が大変だったんですよ。」

 前回の治療…先生の指が膣内を掻き乱し、最も敏感な所を押さえつけられ、蜜を止めどなく垂れ流す程に私を狂わせた、あの行為。あの時の指で擦られる感触、高まる熱、快楽の荒波…それらが私の記憶の中から鮮明に映し出され、思わず股を強く締めてしまう。

「あ、あれはあなたがあんなに激しくするから!!」

「まあまあ、そんなに怒らないで。確かにあれは絶頂に導くためにやったことですから、ああなってしまうことは仕方のないことです。私も事前に済ませる様に促さなかったから、非はこちらにもあります。」

 私は相変わらず背を向けたまま、カチャカチャと器具を一つずつ用意する先生に抗議しようと口を開くも、言葉は出ずにゆっくりと閉ざしていく。

 あの日、私はドアを開けたら先生に犯されるだろうという予感が確かにあった。患者さんの診察を見て高まった熱を出すためにトイレまで行ったというのに、色に当てられて惚けてしまっていた。結果こうなると分かっていたはずなのに…私の覚悟が足りてなかったのだと自分を責めてしまう。

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