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辻占からハジマル×××
第1章 一話 占姫と占い
「あっ、あの…オーナー!」

「何かな?俺は今忙しいんだ…もう少ししたら出ないといけない、今日は後の時間は一人で頼むよ占姫?」

「はい…分かり、ました」

(またはぐらかされた。)

私は四ツ谷占姫。社会人一年目の22歳。
今働いている占いの館ミルキーウェイの受付係として働いている。
ここで働くようになったきっかけは両親が去年亡くなり、以前隣に住んでいたご近所さんの九十九彼方さん。

彼が隣から引っ越した後も連絡はたまにしていた為、両親が亡くなり身寄りが居なくなった事を話したら自分が経営している占いの館の受付が欲しいとの事で働かせて貰う事に。
幼少期から彼方お兄ちゃんは占いが大好きで良く明日の運勢や天気等を占っていた。

それを見ていたからなのか、気付けば私も占いに興味が出て来て色々な占術を教えて貰ったり、学んだりして自分でも占えるようになってからは毎日明日の運勢等を占っている。

そしていつしか彼方お兄ちゃんへも恋心が芽生えていた。
お兄ちゃんとの恋愛運を占った事も有ったのだけど、なかなか良い風な結果は出ない、かと言って悪過ぎるのかと言えばそうでも無く、至って普通。
何度占っても平凡な日々。

彼方お兄ちゃんとの距離が縮まる事も進展する事も無く、彼方お兄ちゃんは地元を離れて東京のとある街で起業し、今のミルキーウェイのオーナー兼超人気の当たると評判の占い師だ。

知ったのも直接ではなくて、知人伝に知らされた。
それでも私は彼方お兄ちゃんの事は離れても忘れた事は無く、自分にはお兄ちゃんしか居ないんだと思いながらまたいつかお兄ちゃんと再開できる日を夢見て日々過ごして居た、だからきっと神様がこうしてお兄ちゃんと合わせてくれた。

そう感じた、だから今までのお兄ちゃんへの気持ちをこうして伝えているのだけれどなかなか伝わらない。
伝わらない所か避けられているような気すらしてくるこの頃。

「それじゃあ俺はもう行くから。頼んだよ」

「行ってらっしゃい…」

「すみませーん!14:30から予約した者ですけど〜」

「あっ、はーい!」

予約したお客さんが入ってきた。
その方を担当の占い師さんの部屋まで案内してからまた受付へと戻り頬杖を付きながら先程の事を思い返しながら日課になりつつある占いサイトをネットサーフィンする。

「んー、もう大体見尽くしちゃったなぁ…。何か、ん?」
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