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辻占からハジマル×××
第1章 一話 占姫と占い
「占姫ー!こっち!」

着替えて簡単に財布とスマホが入るショルダーバッグを肩へとかければ玄関でスニーカーを穿き、淡いピンク色の折り畳み傘を手に取り外へと出る。

家の中から見ていた感じと実際外へ出ると雨の強さがだいぶ違うと感じる。
風が無いだけマシでは有るが、果たしてこの折り畳み傘の範囲で濡れずにカフェまで行けるだろうかと思ってしまう位には降っており、かと言って傘もこれしか持って無い為仕方なくこのまま家を出る事にする。

案の定、雨が背中や足に所々に黒いシミを作りながら徒歩10分程で最寄り駅へと到着する。
そこから15分掛けてカフェの有る駅へと向かう。
雨でジトジトしていた事も有り、車内は冷房が効いており心地良い風が体を包むと同時に濡れて肌に張り付く洋服に風が当たりヒンヤリ冷たくも有り、ブルッと身震いを一度しては小さくくしゃみをする。

そんな中何とか目的地へと到着しては、改札を出て辺りをキョロキョロと見渡すと聞き覚えの有る友人の声が前方から聞こえて来る。

「楓、ごめんまった?」

「ううん、大丈夫だよ!てか、占姫結構濡れちゃってるけど大丈夫?」

「はは、うん結構雨ヤバかったねぇ、まあ大丈夫!」

「そう?じゃあ行こっか、私あの後予約入れといたから直ぐ入れると思う!」

「そっかありがとう!楽しみだねぇ!前から気になってた所だしね!」

木崎楓は大学が一緒で一年の時から中良くて社会人になった今でもこうして暇を見つけては遊びに行ったり、ご飯に行ったりしている大切な友人で有る。

「ねえ、占姫……無理に言わなくても良いんだけど、何かあった?さっき電話した時、なんかちょっと声が暗い感じに聞こえたから心配になってさ」

「もうー、楓には敵わないなぁっ」

「何か有るなら聞くよ?私いつでも占姫の見方だからね!」

「うん、ありがとう、お店入ったら話すね!」

「うん!私に出来る事が有れば協力するからさっ!」

本当に頼りになる友人を持ち有難いと感じる。
その頼りになる友人のおかげで店にもすんなり入る事が出来、壁側奥の二人用のスペース。
ちょうど仕切りも有り、話しやすい席で助かった。
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