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辻占からハジマル×××
第1章 一話 占姫と占い
今日は仕事が休みだ。
私は昨日の出来事を思い返していた。
名前も知らない、自分より少し歳上かなというくらいの男の子。
何故だか分からないけど、凄く気になってしまった。
自分には思い人が居るにも関わらず彼方お兄ちゃんより気になってしまった昨日の人、ベッドに仰向けに寝転びながら天井をぼんやりと見つめては溜息を吐く。
「昨日の人、それに何か引っ張られた様な感覚があったな。占いとかをやってるとまあ、そういう不思議な体験とか奇奇怪怪な出来事は起こるとは言われているからそういう怪異的な物なのかなぁ……」
どうしてもあの子の顔が頭から離れない、これは恋なのだろうかと微かに頬が熱くなるのを感じながら
起き上がり、カーテンに手を掛けてそっと開ける。
今日は生憎の雨で、曇天の空が天いっぱいに広がり目に見える位に激しく雨が地面に落ちていく。
「今日、仕事休みで良かった…。」
ボーッと窓の外を眺めていると、ふとスマホの着信音が部屋に鳴り響いた。
「ん?」
窓際から離れてベッド側のサイドテーブルに置いてあるスマホを手に取り、画面に写る着信者の名前を見てはなんだか少し心のモヤモヤが晴れた気がした。
「なんだ、楓かー、どうしたの?」
「なんだはないでしょ!なんだは!」
「はは、ごめんごめんっ」
「今日休みだよね?雨は降ってるけどさ、占姫、今日空いてない?」
「え、…うん空いてる、けど」
「良かったー!じゃあさ、この前出来た行こうって言ってたカフェ行こうよ!?」
「あー、言ってたね!良いよ、行こっか」
「ようし、決まりっ!じゃあー、」
「うん、はい分かったじゃあ1時間後ね!」
二ヶ月前に駅前に出来た新しい女性向けなカフェ。
外装や内装、メニューまで女子の為に出来たと言っても過言では無いくらいのカフェ。
ハニー、ハチミツがコンセプトで黄色い壁や可愛いミツバチのイラストや蜂の巣のイラスト等SNS映え間違いなしな店内となっていた。
本当に女子に人気で店内は9割女性。たまにカップルで来てる人は居るが、男性単体で来ているのを見た事が無い。
二ヶ月経った今でもかなりお客さんは多いのだが、平日なので多少はマシだという事で行く事にする。