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RINZIN ー隣人ー
第2章 第一話
 イライラともムラムラとも言えぬ行き場のない衝動を抱く涼太。腹が立っているには違いないのに、一向におさまる気配のない勃起──それがさらに涼太をイラつかせる。

 (……のヤロー。なにが『ひとりにしないで』だよ。これだから女は……あーもうムシャクシャさせんなや。こっちは仕事で疲れて帰ってきてるっていうのによ)

 こういうときはもう、腹いせにヌいてしまうが早い──そう判断した涼太はスマホを手に持ちカメラを起動させると、北野の陰部を一枚写真におさめた。

 (けっ、こんくらいいいだろ。床の掃除代だ。このヤリマン女)

 そして涼太はそのままトイレにこもる。ズボンを下ろし便座に腰かけると、さっきからどういうわけかやけに勃ちのいい愚息をスマホを片手に慰めた。

 「──イクッ……!」

 ものの数十秒──大量の精液《ザーメン》を自身の右手の中に勢いよくぶちまけた涼太。しかしスッキリしたのもつかの間、すぐに胸くその悪い罪悪感とむなしさに襲われる。

 (ふぅ……。あーぁ、俺なにやってんだろ……アホくさ)

 ついさっきまでの悶々とした波が嘘のように引いていく。いつになく強い賢者タイムを味わいながらトイレから出た涼太は、床にしたたる乾きはじめた他人の精液をウエットティッシュで拭いていく。

 (ったく、なんで俺がこんなこと……)

 そのあとなにもする気になれなかった涼太は、ソファに横になる北野を尻目にベッドに入り、この日はふて寝をしたのだった。
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