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RINZIN ー隣人ー
第12章 第十一話
そして翌朝──。
「──涼くん、涼くん! 起きて、朝だよ! アラーム鳴ってるよ??」
「ん~……。ん、今何時……?」
「七時半だよ。時間たいじょうぶ??」
「おう……はっ──、全然大丈夫じゃねぇわ。きょう直行だからいつもより早く出ねぇといけなかったんだ、やべぇすっかり忘れてたっ……」
すでに起床予定時刻を過ぎていた涼太は、寝ぼけまなこから一瞬にして飛び起きる。
顔を洗い、ヒゲを剃り、歯を磨き、髪型をセットする涼太。クローゼットからワイシャツとスラックスを取り出し、猛スピードで出勤の準備をしていく。
芽生はその様子の一部始終を、ベッドの上からただじっと眺めていた。
「──よしっ。なんとか間に合うな。セーフ。芽生~? 俺もう出るから、お前も……」
ネクタイを結びながらそう言う涼太のもとへ、芽生が無言で寄ってくる。そしてネクタイに手をかけると、慣れた手つきでそれを結んだ。
「お……ありがと。てかお前ネクタイ結べんの? しかも俺よりうまいんだが……」
「……うん」
しかし芽生はどこか浮かない表情でうつむく。
「どした?」
「ううん。涼くん……やっぱかっこいいね」
「なんだよ急に……へへっ、そうか? 惚れんなよ~」
「……」
「じょ、冗談だろうがっ! ほら、もう時間ねぇから、行くぞっ!」
「うん……。ねぇ涼くん」
「なに?」
「やっぱいい。なんでもない」
「……」
すると涼太は芽生を抱き寄せ、軽くキスを交わす。そして耳もとでこうささやいた。
「──心配すんな。……好きだよ。今度ゆっくり、ちゃんと仲直りしような?」
「涼くんっ……」
「きのうはごめんな。ひどいこと言って」
「う、ううんっ……涼くんはなにも悪くない……私もごめんねっ……ウッ、ウウッ……」
「朝から泣くなって。とりあえず仕事終わったら連絡すっから。な?」
「ウッ……うんっ……。お仕事がんばって……」
「おう。お前もな──」
そしていっしょに部屋を出る二人。
芽生は二階から、涼太が車に乗って出勤していく姿をずっと見つめていた。
(涼くん……私──)
「──涼くん、涼くん! 起きて、朝だよ! アラーム鳴ってるよ??」
「ん~……。ん、今何時……?」
「七時半だよ。時間たいじょうぶ??」
「おう……はっ──、全然大丈夫じゃねぇわ。きょう直行だからいつもより早く出ねぇといけなかったんだ、やべぇすっかり忘れてたっ……」
すでに起床予定時刻を過ぎていた涼太は、寝ぼけまなこから一瞬にして飛び起きる。
顔を洗い、ヒゲを剃り、歯を磨き、髪型をセットする涼太。クローゼットからワイシャツとスラックスを取り出し、猛スピードで出勤の準備をしていく。
芽生はその様子の一部始終を、ベッドの上からただじっと眺めていた。
「──よしっ。なんとか間に合うな。セーフ。芽生~? 俺もう出るから、お前も……」
ネクタイを結びながらそう言う涼太のもとへ、芽生が無言で寄ってくる。そしてネクタイに手をかけると、慣れた手つきでそれを結んだ。
「お……ありがと。てかお前ネクタイ結べんの? しかも俺よりうまいんだが……」
「……うん」
しかし芽生はどこか浮かない表情でうつむく。
「どした?」
「ううん。涼くん……やっぱかっこいいね」
「なんだよ急に……へへっ、そうか? 惚れんなよ~」
「……」
「じょ、冗談だろうがっ! ほら、もう時間ねぇから、行くぞっ!」
「うん……。ねぇ涼くん」
「なに?」
「やっぱいい。なんでもない」
「……」
すると涼太は芽生を抱き寄せ、軽くキスを交わす。そして耳もとでこうささやいた。
「──心配すんな。……好きだよ。今度ゆっくり、ちゃんと仲直りしような?」
「涼くんっ……」
「きのうはごめんな。ひどいこと言って」
「う、ううんっ……涼くんはなにも悪くない……私もごめんねっ……ウッ、ウウッ……」
「朝から泣くなって。とりあえず仕事終わったら連絡すっから。な?」
「ウッ……うんっ……。お仕事がんばって……」
「おう。お前もな──」
そしていっしょに部屋を出る二人。
芽生は二階から、涼太が車に乗って出勤していく姿をずっと見つめていた。
(涼くん……私──)