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RINZIN ー隣人ー
第3章 第二話
 翌朝──。

 「──ん」

 ベッドで目覚めた涼太。
 起きしなのまどろみのなか、枕もとに置いてあるスマホに手を伸ばす。
 
 「十時前か……。ふぁ~ぁ、結構寝たな……」

 きょうは土曜日。とくに予定も入っていないので、このまま一日グダグダ過ごしてしまうのもいい──そんなことを考えながら寝返りを打つ涼太。そのとき──。

 「──わっ!?」

 涼太はおどろいて声をあげる。
 それもそのはず──ベッドの脇に座る北野が、じっと涼太の顔を見つめていたからだ。
 
 「ごっ、ごめんなさいっ……! おどろかすつもりはなかったんですけどっ……」

 涼太は一瞬にして目がさえ、昨晩の記憶がよみがえってくる。

 「い、いや……こっちこそすまん。そういや、もう熱は下がった?」

 「は、はいっ、おかげさまで……。きのうはほんとにごめんなさい……」

 「ならよかった。いいよ、気にしないで。てか、何時ごろ起きた? ずっとそこに居たの? 起こしてくれりゃよかったのに」

 「起こすなんてそんな……。えっと、起きたのは八時くらいです……」

 「そっ……か」

 一見、なにもなかったかのように普通に会話をしている二人であるが、もちろん涼太は昨晩の出来事を忘れたわけではない。

 (ケッ、猫かぶりやがって。ただのヤリマンのくせに──)

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