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RINZIN ー隣人ー
第10章 第九話
「──ほんとにありがと。じゃあまた連絡するね。涼くんも連絡してね」
「おう。こちらこそ。また連絡する」
翌日の昼前。
芽生は涼太の部屋を出て、自分の部屋へと戻る。
(はぁ……ただいま)
ゆうべは一睡もできなかった。
涼太からの告白は一旦保留、ということでいいものなのか、結局うやむやなまままだ。涼太はそれ以上そのことについては触れてこなかったし、芽生もまた触れなかった。ひとまず二人はまた「おとなりさん」に戻った、ということなのだろう。
ただひとつこれまでとちがうのは、お互いの連絡先を交換したということ。
(ん……? なんか通知きてる)
芽生はスマホのメッセージアプリを起動すると、たった今別れたばかりの涼太から早速通知がきている。
ありがとな
またよろしく
おっぱい。
(もぉ。なにそれ……へへ)
簡素でありながら、しかし涼太らしくもあるそのメッセージ。芽生は満更でもなさそうな笑みを浮かべ返信をする。
(さて。時間までもう少しあるからちょっとだけ寝よかな)
芽生は涼太にもらったTシャツとジャージ姿で布団に横になる。
(涼くんのにおいがする……)
トップノートは柔軟剤のよくある香り。そこから少し遅れて綿に染みついた涼太のにおいが香ってくる。それは一晩中重ねあった肌のにおい、涼太のにおいだった。
(涼くん──)
芽生はまだ涼太の腕のなかにいる感覚につつまれながら、短い睡眠を貪った。
「おう。こちらこそ。また連絡する」
翌日の昼前。
芽生は涼太の部屋を出て、自分の部屋へと戻る。
(はぁ……ただいま)
ゆうべは一睡もできなかった。
涼太からの告白は一旦保留、ということでいいものなのか、結局うやむやなまままだ。涼太はそれ以上そのことについては触れてこなかったし、芽生もまた触れなかった。ひとまず二人はまた「おとなりさん」に戻った、ということなのだろう。
ただひとつこれまでとちがうのは、お互いの連絡先を交換したということ。
(ん……? なんか通知きてる)
芽生はスマホのメッセージアプリを起動すると、たった今別れたばかりの涼太から早速通知がきている。
ありがとな
またよろしく
おっぱい。
(もぉ。なにそれ……へへ)
簡素でありながら、しかし涼太らしくもあるそのメッセージ。芽生は満更でもなさそうな笑みを浮かべ返信をする。
(さて。時間までもう少しあるからちょっとだけ寝よかな)
芽生は涼太にもらったTシャツとジャージ姿で布団に横になる。
(涼くんのにおいがする……)
トップノートは柔軟剤のよくある香り。そこから少し遅れて綿に染みついた涼太のにおいが香ってくる。それは一晩中重ねあった肌のにおい、涼太のにおいだった。
(涼くん──)
芽生はまだ涼太の腕のなかにいる感覚につつまれながら、短い睡眠を貪った。