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第90章 3日目・午後1２　教え子のオンナ

「捨てたとかじゃないとは思うけど、、、
辛い思いしてたのね、、、ショウタくん。
そんなこと全然知らなかったな」
「そんなこと、知られちゃったら
やばいでしょ。
絶対、嫌われちゃう」


、、、確かにそうなっちゃったかも。
でも今は、違う。


「そんなこと、、、ないよ、、、」
「あ〜、やっぱり、そうやって
微笑んでくれるんだな、綾子先生は。
やさしいんだよね。
だから好きになっちゃったんだ」
「そうなの？」


、、、生徒にやさしいなんて、
言われたことないな、、、
いつも気を張ってるし、、、


「一度さ、
試合中に足ひねっちゃって、
棄権した時があって」
「あ、それって、、、
まだ一年の時よね。
試合は勝ってたのに、
ショウタくん、悔しがって、
大粒の涙流してた」


「綾子先生、覚えててくれたんだ。
あの時、やさしくしてくれたのが、
ボク、すっごく嬉しくって」


、、、そっか、、、
さっきの目、、、
あの時の目だ、、、
涙をハンカチで拭いてあげた時の、、、


すっごく悔しそうだったのに、
涙をぬぐってあげたその瞬間、
目が笑ってくれたように思えた。
そんなに嬉しかったんだ、、、