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第112章 深夜8　天使と悪魔の境界線

きっとどの相手も最初は
母親の真奈子を亡くして
孤独に包まれているタケトを
慰めてあげるつもりだったのだろう。


あんなに可愛い顔をして
ウルウルとした目で、
まっすぐ見つめられたら、
女の立場からすれば、
抱きしめたくなるのも
仕方がないのかも、、、
そう思ってもしまった。


タケトが纏う不思議なオーラに
守ってあげられるのは自分だけ、、、
そう信じて、
全力で向かい合っているうちに、
関係を持たされてしまったのかもしれない。


タケトの本性は、
そうやって女性たちを
誘き寄せては、
自分の好きにしてしまうところに
あるのだ。



タケトが来年入学してくるかもしれない、
そう思うと
ギリギリのところで踏みとどまって
セックスは拒んでいたけれど、
これから、どうなってしまうのか
自信はなかった。


そんな女性経験豊富なタケトにこんな、
ヒロシとのセックスの場面を
見られてしまったら、
いったいどうなってしまうのだろうか？


ショックで、
部屋から出て行ってしまうのだろうか？
それだったら仕方がない。
ただ、
せっかく鍵をかけてもらったのに
代わりに警官がやってきてしまうかもしれない。