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第2章 序章　再会

「久しぶりにご飯、食べる？」
「いいんですか。懐かしいなあ。綾子さんの作るのどれも美味しくって」
「そっか、もう一年も食べてないか、、、」
「そう、、、ですね、、、呼ばれなくなっちゃったから、、、」
「そんなこと、、、、」

あの時に継がれた言葉は

「僕、綾子さんのことが好きです」

突然のことでとても受け止めることはできなかった。
だってアタシには夫も娘も、、、
そんなこと言われたらもう家に呼べるわけがなかった。

娘と二人きりになったときには、
どっちがヒロシとたくさん話したとか
競い合うくらい気にはなっていたけれど、
それは「アイドル」のような存在で「恋愛」ではなかった。

あれから一年か、、、
今年の春、東京の大学に行くことになったと
父親と一緒に挨拶をしに来てくれたけれど、
お互い目も合わせられずにヨソヨソしいままだった。

ヒロシの大人になった様に、
そんなことは忘れてしまうくらいで
明るく受け答えもできた。

「それにオレ、、、」
「なあに、ヒロシくん」
「え、あ、いや、あとで、いいです」
「何よもったいつけて。
彼女でもできた？」
「そんなんじゃ、、、またあとで」

あとで何が起きるのか、
綾子には全く想像ができていなかった。