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氷の戦乙女は人たらし公爵に溺愛される〜甘く淫らに溶かされて〜
第4章 フェガリ
部屋に戻ると、ラウルはクスクス笑っていた。心なしか、少しだけ顔色が良くなっている気がする。
「何が可笑しいの?」
向かいに座りながら言うと、ラウルは笑みを深めた。
「ルナがオネストに怒られる声が、ここまで聞こえたよ。皆賑やかで楽しいな」
「ラウルは、使用人達のことを本当に大事にしているのね」
「当たり前だろう? 彼らがいないと、僕はまともに生活ができないからね。何より、ひとりは寂しい」
そう言ってラウルは寂しそうに笑った。思えば、彼が宿舎でもいつも誰かと一緒にいた。きっと、孤独が嫌いなのだろう。
「ルナがお茶を持ってきたら話そうね。あぁ、どこから話すか悩むな」
悩むと言いながらも、ラウルは楽しそうに見える。本当に読めない人だと、ラウルを眺めていると、ドアがノックされた。
「ルナです、お茶をお持ちしました」
「入って」
ルナはワゴンを押して入ってきた。カップに紅茶を注ぎ、それぞれの前に置く。中央に焼き菓子が綺麗に並べられた皿とティーポットを置くと、一礼して退室していった。
「朝食は野菜スープだけだったから、お腹が空いてたんだ」
そう言って、ラウルはマドレーヌを食べて紅茶を飲んだ。
「確かあの時、サウラのところに行く途中、騎士を見かけたって言ったね。それはある意味本当だよ」
前触れもなしに、ラウルは話し出す。カミリアは静かにラウルを見守った。
「あの時見かけた騎士っていうのはね、君なんだよ」
「私……?」
驚きのあまり、声がうわずる。ラウルはそんな彼女を見て、声を上げて笑った。
「あははっ、驚いた? 顔に焼印のある、黒髪の男の子を覚えてる? あの子を助けてるところを偶然見たんだ。綺麗なブロンドなのに、黒髪も焼印も差別しない君に、惚れ込んだ。その美貌にはもちろんのこと、心の美しさに惚れたんだよ」
優しい目で見つめられ、どう言葉を返していいのか困る。彼の愛が本物だと分かっているから、尚更だ。
「何が可笑しいの?」
向かいに座りながら言うと、ラウルは笑みを深めた。
「ルナがオネストに怒られる声が、ここまで聞こえたよ。皆賑やかで楽しいな」
「ラウルは、使用人達のことを本当に大事にしているのね」
「当たり前だろう? 彼らがいないと、僕はまともに生活ができないからね。何より、ひとりは寂しい」
そう言ってラウルは寂しそうに笑った。思えば、彼が宿舎でもいつも誰かと一緒にいた。きっと、孤独が嫌いなのだろう。
「ルナがお茶を持ってきたら話そうね。あぁ、どこから話すか悩むな」
悩むと言いながらも、ラウルは楽しそうに見える。本当に読めない人だと、ラウルを眺めていると、ドアがノックされた。
「ルナです、お茶をお持ちしました」
「入って」
ルナはワゴンを押して入ってきた。カップに紅茶を注ぎ、それぞれの前に置く。中央に焼き菓子が綺麗に並べられた皿とティーポットを置くと、一礼して退室していった。
「朝食は野菜スープだけだったから、お腹が空いてたんだ」
そう言って、ラウルはマドレーヌを食べて紅茶を飲んだ。
「確かあの時、サウラのところに行く途中、騎士を見かけたって言ったね。それはある意味本当だよ」
前触れもなしに、ラウルは話し出す。カミリアは静かにラウルを見守った。
「あの時見かけた騎士っていうのはね、君なんだよ」
「私……?」
驚きのあまり、声がうわずる。ラウルはそんな彼女を見て、声を上げて笑った。
「あははっ、驚いた? 顔に焼印のある、黒髪の男の子を覚えてる? あの子を助けてるところを偶然見たんだ。綺麗なブロンドなのに、黒髪も焼印も差別しない君に、惚れ込んだ。その美貌にはもちろんのこと、心の美しさに惚れたんだよ」
優しい目で見つめられ、どう言葉を返していいのか困る。彼の愛が本物だと分かっているから、尚更だ。