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氷の戦乙女は人たらし公爵に溺愛される〜甘く淫らに溶かされて〜
第4章 フェガリ
「ばあさんばかり喋ってずるいぞ。ソニア様、わしはヘンリーといいます。今日1日、よろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします、ヘンリーさん」
今度はヘンリーと握手をする。クレアと同じく皺だらけであたたかい手をしているが、彼の手は骨ばってたくましい手だった。
「ソニアはどこに行っても人気者だね。ヘンリー、今日の仕事は?」
ラウルが仕事について質問をすると、ヘンリーは思い出したようにあぁ、と声を出す。
「今日は種の選別と、畑を耕すのを手伝ってもらおうと思っています。ささ、こっちへ」
ふたりについていくと、お手製の大きなテーブルの上で作業をしている女性が5,6人ほどいた。近くに建っている小屋からは、若い男ふたりが鍬を担いで出てきて、近場から畑を耕し始めた。
「皆、マルティネス公爵様が綺麗な奥様を連れてお見えになったぞ」
ヘンリーの奥さんという言葉に、彼女達は立ち上がってこちらに駆け寄ってくる。先程までは帽子をかぶってうつむいていたので顔は見えなかったが、15歳くらいの少女から、80代くらいの老婆までいた。
「まぁ、本当に綺麗な奥様だこと」
「さぁさぁ、こちらへどうぞ。一緒に種を選別しましょう、奥様」
彼女達は目を輝かせながら、カミリアの腕を引いたり背中を押したりする。カミリアはいつの間にか妻にされたことや、彼女達の歓迎に苦笑しながらも、やんわりと彼女達の手を解いた。
「皆さん初めまして。ラウル・マルティネス公爵様の婚約者、ソニアです。私は畑を耕すので、皆さんはラウル様に種の選別を教えてあげてください」
そう言ってラウルの手を引くと、彼女達に押し付けるように背中を押した。ラウルは驚いてカミリアに振り返る。カミリアはにこやかに手を振る。
「待ってよソニア。君に力仕事をさせるわけにはいかない」
「病み上がりなんだから、無理をしないって約束でしょう? 私はラウル様が心配なんです。どうしても畑を耕すというのなら、お屋敷に連れて帰りますからね」
慣れない言葉遣いに違和感を覚えながら、ラウルを牽制する。ラウルは項垂れ、彼らはラウルを茶化しだした。
「こちらこそよろしくお願いします、ヘンリーさん」
今度はヘンリーと握手をする。クレアと同じく皺だらけであたたかい手をしているが、彼の手は骨ばってたくましい手だった。
「ソニアはどこに行っても人気者だね。ヘンリー、今日の仕事は?」
ラウルが仕事について質問をすると、ヘンリーは思い出したようにあぁ、と声を出す。
「今日は種の選別と、畑を耕すのを手伝ってもらおうと思っています。ささ、こっちへ」
ふたりについていくと、お手製の大きなテーブルの上で作業をしている女性が5,6人ほどいた。近くに建っている小屋からは、若い男ふたりが鍬を担いで出てきて、近場から畑を耕し始めた。
「皆、マルティネス公爵様が綺麗な奥様を連れてお見えになったぞ」
ヘンリーの奥さんという言葉に、彼女達は立ち上がってこちらに駆け寄ってくる。先程までは帽子をかぶってうつむいていたので顔は見えなかったが、15歳くらいの少女から、80代くらいの老婆までいた。
「まぁ、本当に綺麗な奥様だこと」
「さぁさぁ、こちらへどうぞ。一緒に種を選別しましょう、奥様」
彼女達は目を輝かせながら、カミリアの腕を引いたり背中を押したりする。カミリアはいつの間にか妻にされたことや、彼女達の歓迎に苦笑しながらも、やんわりと彼女達の手を解いた。
「皆さん初めまして。ラウル・マルティネス公爵様の婚約者、ソニアです。私は畑を耕すので、皆さんはラウル様に種の選別を教えてあげてください」
そう言ってラウルの手を引くと、彼女達に押し付けるように背中を押した。ラウルは驚いてカミリアに振り返る。カミリアはにこやかに手を振る。
「待ってよソニア。君に力仕事をさせるわけにはいかない」
「病み上がりなんだから、無理をしないって約束でしょう? 私はラウル様が心配なんです。どうしても畑を耕すというのなら、お屋敷に連れて帰りますからね」
慣れない言葉遣いに違和感を覚えながら、ラウルを牽制する。ラウルは項垂れ、彼らはラウルを茶化しだした。