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氷の戦乙女は人たらし公爵に溺愛される〜甘く淫らに溶かされて〜
第6章 6章 光と影
「ーリア!」
「え?」
遠くから、自分を呼ぶラウルの声が聞こえた気がした。幻聴かと思ったが、複数の足音がこちらに近づいてきている。
「カミリア!」
「ラウル……!」
今度は愛しい人の声がはっきりと聞こえた。途端に希望が満ち溢れる。
「ラウル! 私はここよ!」
力いっぱいラウルを呼んだ。身体が沈みかけるのを、必死で立て直す。
「カミリア!」
今度はハーディの声だ。まさか彼女が来るとは思ってもみなかった。感動で胸が打ち震える。
「カミリア! よく頑張ったね。今助けるから」
ラウルは精一杯手を伸ばした。カミリアはその手を掴む。
「引き上げるよ!」
ラウルが力いっぱいカミリアの腕を引っ張る。彼の後ろに、サウラやノクス王の姿が見える。
「私も手伝います」
ハーディもカミリアの手を引っ張ってくれる。カミリアはサテンのロープが結ばれた手を差し出した。ハーディはサテンのロープをナイフで切り離し、自由になった手を引っ張り上げてくれた。
ふたりのおかげでなんとか陸に上がると、ラウルとハーディはカミリアを痛いくらいに抱きしめた。
「カミリア、ごめんなさい! 私、リュゼ様がこんなに恐ろしいことを考えてたなんて、知らなくて……!」
「リュゼ? どういうこと?」
「うちの娘がこんなことを!?」
ハーディの言葉に、カミリアとフローレス公爵は動揺した。友と思っていた人物が、娘が、恐ろしい計画を立てたと知り、戦慄する。サウラとノクスは険しい表情で顔を見合わせる。
「寒かっただろう?」
ラウルは燕尾服をカミリアの肩に掛け、抱きしめる。
他の貴族達が何事かと様子を見に来た。その中に、リュゼの姿もあった。
「リュゼ、お前……」
ラウルがリュゼを睨みつけると、彼女は狂ったように笑う。近くにいた貴族達は、不気味がって彼女から離れる。
「え?」
遠くから、自分を呼ぶラウルの声が聞こえた気がした。幻聴かと思ったが、複数の足音がこちらに近づいてきている。
「カミリア!」
「ラウル……!」
今度は愛しい人の声がはっきりと聞こえた。途端に希望が満ち溢れる。
「ラウル! 私はここよ!」
力いっぱいラウルを呼んだ。身体が沈みかけるのを、必死で立て直す。
「カミリア!」
今度はハーディの声だ。まさか彼女が来るとは思ってもみなかった。感動で胸が打ち震える。
「カミリア! よく頑張ったね。今助けるから」
ラウルは精一杯手を伸ばした。カミリアはその手を掴む。
「引き上げるよ!」
ラウルが力いっぱいカミリアの腕を引っ張る。彼の後ろに、サウラやノクス王の姿が見える。
「私も手伝います」
ハーディもカミリアの手を引っ張ってくれる。カミリアはサテンのロープが結ばれた手を差し出した。ハーディはサテンのロープをナイフで切り離し、自由になった手を引っ張り上げてくれた。
ふたりのおかげでなんとか陸に上がると、ラウルとハーディはカミリアを痛いくらいに抱きしめた。
「カミリア、ごめんなさい! 私、リュゼ様がこんなに恐ろしいことを考えてたなんて、知らなくて……!」
「リュゼ? どういうこと?」
「うちの娘がこんなことを!?」
ハーディの言葉に、カミリアとフローレス公爵は動揺した。友と思っていた人物が、娘が、恐ろしい計画を立てたと知り、戦慄する。サウラとノクスは険しい表情で顔を見合わせる。
「寒かっただろう?」
ラウルは燕尾服をカミリアの肩に掛け、抱きしめる。
他の貴族達が何事かと様子を見に来た。その中に、リュゼの姿もあった。
「リュゼ、お前……」
ラウルがリュゼを睨みつけると、彼女は狂ったように笑う。近くにいた貴族達は、不気味がって彼女から離れる。