この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
氷の戦乙女は人たらし公爵に溺愛される〜甘く淫らに溶かされて〜
第6章 6章 光と影
「これはどういうことですかな? マルティネス公爵。婚約者のソニア様は、田舎の名家のご令嬢と聞いていましたが」
「シャムスの騎士、カミリアというのは本当かね?」
責め立てるような視線からふたりを庇うように立ちはだかったのは、サウラだ。
「説明は俺の方からしてやる。まずはカミリアを湯浴みさせるのが先じゃないのか? それとも貴殿らは、令嬢ではない彼女がこのまま風邪を引いてもいいと?」
貴族達は顔を見合わせ、渋々頷いた。サウラはこちらに振り返り、にっこり笑う。
「カミリア、よくやった。今は休んでくれ」
「サウラ王子……」
礼を言おうとしたが、クシャミが出てしまった。生還できた喜びとリュゼの騒動で寒さを忘れていた。ずぶ濡れになっただけでも寒いのに、足がほとんど出ているのだから尚更だ。
「本当に風邪を引いてしまいそうだな。とにかく屋敷に戻ろう」
フローレス公爵の一言で、屋敷に入る。カミリアは使用人の案内で風呂に入った。よく汚れを落として温まると、用意されていたバスローブに身を包む。
浴室から出ると、使用人が食堂に案内してくれた。
食堂に着くと、ハーディも座っていた。テーブルの上にあった豪勢な料理がなくなり、紅茶やお菓子が並べられている。
「カミリア。つい先程お前について話し終えたところだ」
サウラが紅茶をひと口飲み、リラックスした表情で知らせてくれる。恐る恐る貴族達を見ると、彼らはニヤニヤ笑っていた。何故彼らが笑っているのか気になっていると、ラウルに隣に座るように言われたので、彼の隣に座る。リュゼが座っていたところにはハーディが座り、彼女と目が合うとうつむかれてしまった。
「ラウル殿がご執心だとか」
「一緒にいたいがために、大掛かりなことを」
貴族達はニヤニヤしながら口々に言う。こういったことに鈍感なカミリアも、流石に気づいて顔が熱くなる。
「氷の戦乙女殿は、任務が終わったら戻るのですかな?」
この一言が、カミリアの胸を揺さぶった。これに頷いてしまえば、もう二度とラウルと会えない。そんな気がした。
「シャムスの騎士、カミリアというのは本当かね?」
責め立てるような視線からふたりを庇うように立ちはだかったのは、サウラだ。
「説明は俺の方からしてやる。まずはカミリアを湯浴みさせるのが先じゃないのか? それとも貴殿らは、令嬢ではない彼女がこのまま風邪を引いてもいいと?」
貴族達は顔を見合わせ、渋々頷いた。サウラはこちらに振り返り、にっこり笑う。
「カミリア、よくやった。今は休んでくれ」
「サウラ王子……」
礼を言おうとしたが、クシャミが出てしまった。生還できた喜びとリュゼの騒動で寒さを忘れていた。ずぶ濡れになっただけでも寒いのに、足がほとんど出ているのだから尚更だ。
「本当に風邪を引いてしまいそうだな。とにかく屋敷に戻ろう」
フローレス公爵の一言で、屋敷に入る。カミリアは使用人の案内で風呂に入った。よく汚れを落として温まると、用意されていたバスローブに身を包む。
浴室から出ると、使用人が食堂に案内してくれた。
食堂に着くと、ハーディも座っていた。テーブルの上にあった豪勢な料理がなくなり、紅茶やお菓子が並べられている。
「カミリア。つい先程お前について話し終えたところだ」
サウラが紅茶をひと口飲み、リラックスした表情で知らせてくれる。恐る恐る貴族達を見ると、彼らはニヤニヤ笑っていた。何故彼らが笑っているのか気になっていると、ラウルに隣に座るように言われたので、彼の隣に座る。リュゼが座っていたところにはハーディが座り、彼女と目が合うとうつむかれてしまった。
「ラウル殿がご執心だとか」
「一緒にいたいがために、大掛かりなことを」
貴族達はニヤニヤしながら口々に言う。こういったことに鈍感なカミリアも、流石に気づいて顔が熱くなる。
「氷の戦乙女殿は、任務が終わったら戻るのですかな?」
この一言が、カミリアの胸を揺さぶった。これに頷いてしまえば、もう二度とラウルと会えない。そんな気がした。