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氷の戦乙女は人たらし公爵に溺愛される〜甘く淫らに溶かされて〜
第6章 6章 光と影
「もしサウラ王子が許してくださって、ラウル様がいいと言ってくださるのなら、フェガリにいようと思います」
「俺は構わないぞ」
カミリアの言葉に、貴族達はおぉ、と声を上げ、サウラはニヤリと笑ってラウルを見た。ラウルは目を見開き、カミリアを見ていた。
「カミリア……。それって、本当に僕の婚約者になってくれるってことでいいのかい?」
「はい、そういうことです」
照れ臭さを押し殺して頷くと、ラウルは力強くカミリアを抱きしめた。貴族達は彼らを祝福する。カミリアは意外に思いながら貴族達を見る。
身分詐称をした上に、自分はシャムスの騎士だ。てっきり批判されるとばかり思っていただけに、気が抜ける。
「あら、お嬢ちゃん。鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしちゃって。私達が祝福するのが、そんなに意外?」
中年の貴婦人は、楽しげな目をカミリアに向けながら問う。カミリアは戸惑いながらも頷いた。
「えぇ、意外です。身分差の恋は許されないものかと思っていました。それに、シャムスとフェガリはこうして交友パーティを開催していますが、いがみ合ってるって……」
カミリアの言葉に、貴族達は声を上げて笑う。貴族というのは口元を押さえて上品に笑うイメージがあったため、呆気にとられる。
「いがみ合ってるのは一部の連中だけさ。この若造共が動いてくれたおかげで、大半は仲がいいんだ」
ノクス王はラウルとサウラに目をやりながら言う。ふたりがある程度動いているのはカミリアも察していたが、まさかここまでとは思いもしなかった。
「それに、若者達の美しい恋は応援しませんとな」
「私も昔、町娘に恋をしたことがあったな……。身分差なんかで結ばれない時代も、もう終わりにしようということになってきている。いい時代だ」
貴族達はしみじみと言う。そんな彼らを見て、貴族は税金を搾り取ることしか考えていないというカミリアの偏見が、少しだけ緩和された。
貴族も人間。恋に一喜一憂することもあれば、冗談を言い合って笑い合うこともある。それを知れてよかったと思う。
「俺は構わないぞ」
カミリアの言葉に、貴族達はおぉ、と声を上げ、サウラはニヤリと笑ってラウルを見た。ラウルは目を見開き、カミリアを見ていた。
「カミリア……。それって、本当に僕の婚約者になってくれるってことでいいのかい?」
「はい、そういうことです」
照れ臭さを押し殺して頷くと、ラウルは力強くカミリアを抱きしめた。貴族達は彼らを祝福する。カミリアは意外に思いながら貴族達を見る。
身分詐称をした上に、自分はシャムスの騎士だ。てっきり批判されるとばかり思っていただけに、気が抜ける。
「あら、お嬢ちゃん。鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしちゃって。私達が祝福するのが、そんなに意外?」
中年の貴婦人は、楽しげな目をカミリアに向けながら問う。カミリアは戸惑いながらも頷いた。
「えぇ、意外です。身分差の恋は許されないものかと思っていました。それに、シャムスとフェガリはこうして交友パーティを開催していますが、いがみ合ってるって……」
カミリアの言葉に、貴族達は声を上げて笑う。貴族というのは口元を押さえて上品に笑うイメージがあったため、呆気にとられる。
「いがみ合ってるのは一部の連中だけさ。この若造共が動いてくれたおかげで、大半は仲がいいんだ」
ノクス王はラウルとサウラに目をやりながら言う。ふたりがある程度動いているのはカミリアも察していたが、まさかここまでとは思いもしなかった。
「それに、若者達の美しい恋は応援しませんとな」
「私も昔、町娘に恋をしたことがあったな……。身分差なんかで結ばれない時代も、もう終わりにしようということになってきている。いい時代だ」
貴族達はしみじみと言う。そんな彼らを見て、貴族は税金を搾り取ることしか考えていないというカミリアの偏見が、少しだけ緩和された。
貴族も人間。恋に一喜一憂することもあれば、冗談を言い合って笑い合うこともある。それを知れてよかったと思う。