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氷の戦乙女は人たらし公爵に溺愛される〜甘く淫らに溶かされて〜
第2章 騎士団長命令
「教師になってみない?」
「はい!?」
騎士とはかけ離れた役職に、さすがのカミリアも素っ頓狂な声を上げる。ラウルはそんな彼女を見てクスクス笑う。
「そんなに驚く?」
「教師なんて、騎士とかけ離れてるじゃないですか……」
「ははっ、それだけ聞くとそう思うかもね。けど、あれだけの本を読んできたカミリアが適任だと思うんだ」
まるで今まで教師を探していたような口ぶりに、カミリアは小首をかしげる。
「階級試合を見たり、手合わせしたりして、この騎士団は本当に強いんだって実感したよ。ひとりひとりが軍学を身に着けていたら、もっと強くなるはずだよ。どうかな?」
「言いたいことは分かりますが、人に教えたことなんてありませんし……」
「大丈夫、授業の手伝いはするよ。それに、やること与えないとカミリアは無茶しそうだから」
図星を突かれて、カミリアは言葉を詰まらせる。子供の頃から今日まで、怪我をしようが具合が悪かろうが、鍛錬を休んだことはない。1日でも休むと、身体が鈍ると思っているからだ。
今回も手合わせなどができなくても、ある程度の鍛錬はするつもりでいる。
「……無茶はしません。できる範囲で身体を動かすだけです」
「それを無茶と言うんだよ。それに僕はカミリアに聞きたいことがたくさんあるから、いい機会だと思って」
怪我をしたのにいい機会だなんて、不謹慎にも程がある。木漏れ日のような笑みを浮かべるラウルには、これっぽっちも悪気はないのだろう。だからこそ、タチが悪い。
怒る気力をなくし、盛大なため息をつく。
「え? なんでそんなため息つくの?」
「いえ、なんでもありません。それより、聞きたいことってなんですか?」
「騎士団やシャムスについて」
「団長もシャムス人ではないのですか?」
カミリアは思わず耳を疑う。シャムスは大陸の海沿いにある。唯一の隣国であるフェガリとは、しばらく敵対関係だった。今は交友関係を結ぼうとしていると聞くが、それでもシャムス人のフェガリ人に対する差別はなくならず、フェガリ人は入国してきたとしてもシャムスに住み着くことはない。そのため、シャムスに外国人はほとんどいない。
「はい!?」
騎士とはかけ離れた役職に、さすがのカミリアも素っ頓狂な声を上げる。ラウルはそんな彼女を見てクスクス笑う。
「そんなに驚く?」
「教師なんて、騎士とかけ離れてるじゃないですか……」
「ははっ、それだけ聞くとそう思うかもね。けど、あれだけの本を読んできたカミリアが適任だと思うんだ」
まるで今まで教師を探していたような口ぶりに、カミリアは小首をかしげる。
「階級試合を見たり、手合わせしたりして、この騎士団は本当に強いんだって実感したよ。ひとりひとりが軍学を身に着けていたら、もっと強くなるはずだよ。どうかな?」
「言いたいことは分かりますが、人に教えたことなんてありませんし……」
「大丈夫、授業の手伝いはするよ。それに、やること与えないとカミリアは無茶しそうだから」
図星を突かれて、カミリアは言葉を詰まらせる。子供の頃から今日まで、怪我をしようが具合が悪かろうが、鍛錬を休んだことはない。1日でも休むと、身体が鈍ると思っているからだ。
今回も手合わせなどができなくても、ある程度の鍛錬はするつもりでいる。
「……無茶はしません。できる範囲で身体を動かすだけです」
「それを無茶と言うんだよ。それに僕はカミリアに聞きたいことがたくさんあるから、いい機会だと思って」
怪我をしたのにいい機会だなんて、不謹慎にも程がある。木漏れ日のような笑みを浮かべるラウルには、これっぽっちも悪気はないのだろう。だからこそ、タチが悪い。
怒る気力をなくし、盛大なため息をつく。
「え? なんでそんなため息つくの?」
「いえ、なんでもありません。それより、聞きたいことってなんですか?」
「騎士団やシャムスについて」
「団長もシャムス人ではないのですか?」
カミリアは思わず耳を疑う。シャムスは大陸の海沿いにある。唯一の隣国であるフェガリとは、しばらく敵対関係だった。今は交友関係を結ぼうとしていると聞くが、それでもシャムス人のフェガリ人に対する差別はなくならず、フェガリ人は入国してきたとしてもシャムスに住み着くことはない。そのため、シャムスに外国人はほとんどいない。