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氷の戦乙女は人たらし公爵に溺愛される〜甘く淫らに溶かされて〜
第2章 騎士団長命令
翌朝、カミリアが身支度を整えていると誰かがドアをノックした。
「カミリア、僕、ラウルだけど。開けて大丈夫?」
カミリアは手早く髪を梳かすと、入室を許可した。ラウルはワゴンを押して入室し、テーブルの上に朝食を並べてくれた。
「おはよう、カミリア。昨日、車椅子を乗り捨てていったみたいだけど、足は大丈夫?」
「はい、大丈夫です。あの、昨日はすいませんでした。ちょっと気が立っていて、団長の言葉を勘違いしてしまって……」
カミリアが謝罪をすると、ラウルはキョトンする。おかしなことを言ってしまったのかと内心焦っていると、ラウルは優しい笑みを浮かべる。
「どれのことを言ってるのか知らないけど、僕は気にしてないよ。一応言っておくけど、僕が好きなのは君だけだからね。誰にだって好きって言ってるわけじゃないよ」
恥ずかしいことをサラリというラウルに、カミリアの頬が上気していく。
「そのことではありません。シャムスに女性騎士が、という話です。団長の疑問は当然なのに、ドゥム派のことでちょっと敏感になってしまって……。本当に」
人差し指を唇に添えられ、言葉が続かなかった。ラウルを見上げると、慈しむような眼差しを向けられていた。
「さっきも言ったけど、僕は気にしてないよ。だから、謝らないで。それに、僕はそんな顔じゃなくて、笑顔が見たいなぁ」
歯が浮くようなセリフにどう対応していいのか分からず困惑していると、ようやく人差し指が離れる。
「僕も朝食食べてくるよ。お腹空いちゃった。食べ終わったらここに来るから、話をしようね」
そう言ってラウルは軽やかな足取りで部屋から出ていった。
脱力したカミリアは、ベッドに座り込み、唇にそっと触れる。微かに残る触れられた感覚に、胸が締め付けられる。だが、悪い気はしない。
「私ったら、何してるの……。これは、そう、驚いただけで……」
誰もいないのに言い訳している自分に気づき、なんとも言えない羞恥がこみ上げる。
「ごはん、食べなきゃ」
自分に言い聞かせて黙々と朝食を食べることによって、羞恥を打ち消した。
「カミリア、僕、ラウルだけど。開けて大丈夫?」
カミリアは手早く髪を梳かすと、入室を許可した。ラウルはワゴンを押して入室し、テーブルの上に朝食を並べてくれた。
「おはよう、カミリア。昨日、車椅子を乗り捨てていったみたいだけど、足は大丈夫?」
「はい、大丈夫です。あの、昨日はすいませんでした。ちょっと気が立っていて、団長の言葉を勘違いしてしまって……」
カミリアが謝罪をすると、ラウルはキョトンする。おかしなことを言ってしまったのかと内心焦っていると、ラウルは優しい笑みを浮かべる。
「どれのことを言ってるのか知らないけど、僕は気にしてないよ。一応言っておくけど、僕が好きなのは君だけだからね。誰にだって好きって言ってるわけじゃないよ」
恥ずかしいことをサラリというラウルに、カミリアの頬が上気していく。
「そのことではありません。シャムスに女性騎士が、という話です。団長の疑問は当然なのに、ドゥム派のことでちょっと敏感になってしまって……。本当に」
人差し指を唇に添えられ、言葉が続かなかった。ラウルを見上げると、慈しむような眼差しを向けられていた。
「さっきも言ったけど、僕は気にしてないよ。だから、謝らないで。それに、僕はそんな顔じゃなくて、笑顔が見たいなぁ」
歯が浮くようなセリフにどう対応していいのか分からず困惑していると、ようやく人差し指が離れる。
「僕も朝食食べてくるよ。お腹空いちゃった。食べ終わったらここに来るから、話をしようね」
そう言ってラウルは軽やかな足取りで部屋から出ていった。
脱力したカミリアは、ベッドに座り込み、唇にそっと触れる。微かに残る触れられた感覚に、胸が締め付けられる。だが、悪い気はしない。
「私ったら、何してるの……。これは、そう、驚いただけで……」
誰もいないのに言い訳している自分に気づき、なんとも言えない羞恥がこみ上げる。
「ごはん、食べなきゃ」
自分に言い聞かせて黙々と朝食を食べることによって、羞恥を打ち消した。