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氷の戦乙女は人たらし公爵に溺愛される〜甘く淫らに溶かされて〜
第4章 フェガリ
「いただきます」
手を合わせてから食事を始める。見た目はどれもカミリアが知っている料理だが、どの料理も今まで食べたことがないくらい美味しい。
「口に合うといいんだけど」
「とっても美味しいです」
「よかった。おかわりもあるから、好きなだけ食べてね」
おかわりもあると言うラウルだが、テーブルの上に並ぶ料理は、正直ひとりで食べきれるかどうか、微妙な量だ。少なくとも、おかわりをすることはないだろう。
実際に料理は全部食べたが、食べすぎたようでおなかが少し苦しい。
食事が終わると、ふたりはソファに並んで座る。こうして隣同士で座ると、本当に恋人みたいでこそばゆい。ラウルの提案で、紅茶を飲みながら話をすることになった。
「来て間もないけど、この屋敷や使用人はどうだい? やっていけそう?」
「驚くこともあるけど、皆いい人ね。けど、身体は自分で洗いたいの。人に洗ってもらうだけでも恥ずかしいのに、体型のことを言われるのは、ちょっと……」
「あぁ、彼女達はおしゃべりだからね。分かった、彼女達に言っておこう。けど、髪の手入れはしてもらって。せっかくの綺麗な髪なんだから」
ラウルはカミリアの髪を1房手に取ると、そっとキスをする。突然のことにドギマギして目を逸らす。頬が熱い。
どうにか誤魔化せないかと、必死に頭を回す。
「そういえば、私は偽名を名乗らないといけないの?」
「あぁ、勝手に決めちゃってごめんね。やっぱり本名で動くのはよくないと思って」
「あなたは本名で騎士団に来たのに?」
カミリアの言葉に、ラウルは苦笑する。この質問で少しは焦るんじゃないかと思っていたが、彼は全く動揺せず、少し残念に思う。
「偽名を使う気はなかったんだ。フラッと入ってフラッといなくなるつもりだったからね。サウラのせいで騎士団長になったのは、本当に想定外だった」
「わざと負ければ、お望みどおりフラッといなくなれたのに」
「そんなことをしたら、君は怒るだろう?」
ラウルの言うとおりだった。少しとはいえ、彼の実力を目の当たりにしているカミリアは、未だに自分との試合は手を抜かれたと思い込んでいる。
手を合わせてから食事を始める。見た目はどれもカミリアが知っている料理だが、どの料理も今まで食べたことがないくらい美味しい。
「口に合うといいんだけど」
「とっても美味しいです」
「よかった。おかわりもあるから、好きなだけ食べてね」
おかわりもあると言うラウルだが、テーブルの上に並ぶ料理は、正直ひとりで食べきれるかどうか、微妙な量だ。少なくとも、おかわりをすることはないだろう。
実際に料理は全部食べたが、食べすぎたようでおなかが少し苦しい。
食事が終わると、ふたりはソファに並んで座る。こうして隣同士で座ると、本当に恋人みたいでこそばゆい。ラウルの提案で、紅茶を飲みながら話をすることになった。
「来て間もないけど、この屋敷や使用人はどうだい? やっていけそう?」
「驚くこともあるけど、皆いい人ね。けど、身体は自分で洗いたいの。人に洗ってもらうだけでも恥ずかしいのに、体型のことを言われるのは、ちょっと……」
「あぁ、彼女達はおしゃべりだからね。分かった、彼女達に言っておこう。けど、髪の手入れはしてもらって。せっかくの綺麗な髪なんだから」
ラウルはカミリアの髪を1房手に取ると、そっとキスをする。突然のことにドギマギして目を逸らす。頬が熱い。
どうにか誤魔化せないかと、必死に頭を回す。
「そういえば、私は偽名を名乗らないといけないの?」
「あぁ、勝手に決めちゃってごめんね。やっぱり本名で動くのはよくないと思って」
「あなたは本名で騎士団に来たのに?」
カミリアの言葉に、ラウルは苦笑する。この質問で少しは焦るんじゃないかと思っていたが、彼は全く動揺せず、少し残念に思う。
「偽名を使う気はなかったんだ。フラッと入ってフラッといなくなるつもりだったからね。サウラのせいで騎士団長になったのは、本当に想定外だった」
「わざと負ければ、お望みどおりフラッといなくなれたのに」
「そんなことをしたら、君は怒るだろう?」
ラウルの言うとおりだった。少しとはいえ、彼の実力を目の当たりにしているカミリアは、未だに自分との試合は手を抜かれたと思い込んでいる。