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氷の戦乙女は人たらし公爵に溺愛される〜甘く淫らに溶かされて〜
第4章 フェガリ
「まずは、騙し続けてごめんなさい。私は生まれも育ちもシャムスのシャムス人よ。騎士団の副団長を務めているの。極秘任務だから詳しいことは言えないけど、ラウルの護衛をするためにここにいる。本名は、カミリア・ケリー。ソニアというのは、ラウルが考えた偽名なの」
彼らが疑問に思っているであろうことをすべていうと、ふたりは顔を見合わせる。
「ラウル様は、貴女の素性をどこまで知っているんですか?」
オネストが疑いの眼差しを向ける。先程述べたことですべてを払拭できるとは思っていなかったが、それでも傷つくものは傷つく。同時に、彼らはラウルがシャムスの騎士団長であることを知らないのだと確信する。
「私が少し前まで騎士団長であったことまで知っています」
「それは何故?」
「サウラ王子から聞いたのでしょう」
「サウラ王子……。確かに、ラウル様はサウラ王子と親交があるが……」
オネストは煮え切らないといった顔で考え込む。
「あの、カミリア様……。貴女はシャムスについて、どう思われますか?」
「どう、と言うと?」
ルナはきっと差別について聞きたいのだろうと察するが、勘違いを避けるために聞いた。するとルナはうつむき、口をもごもごさせる。それを見たオネストは、イラ立ちながら口を開く。
「質問するなら最後までしたらどうだ? シャムス人は、赤髪や黒髪、女を差別しているだろう? ブロンド髪の人間は、赤髪と黒髪を虐げて楽しんでいる。貴女もそうなのではないか。ルナはそう聞きたいんだろう」
「私、そこまで言うつもりじゃ……!」
ルナは叫ぶように言うが、カミリアを見て再びうつむいてしまう。その態度はカミリアの中の答えを確信に変えていった。
「間違っていたらごめんなさい。ふたりは、シャムス人なの? ふたりだけじゃない。ここの使用人達のほとんどが、そうなんじゃない?」
そう考えると、辻褄が合う。ここの使用人はほとんどが赤髪と黒髪だ。それに彼らがラウルを見る目は、尊敬や忠誠では言い表せないものを感じる。ラウルが虐げられているシャムス人を使用人として雇っているとしたら、どれも納得がいく。
彼らが疑問に思っているであろうことをすべていうと、ふたりは顔を見合わせる。
「ラウル様は、貴女の素性をどこまで知っているんですか?」
オネストが疑いの眼差しを向ける。先程述べたことですべてを払拭できるとは思っていなかったが、それでも傷つくものは傷つく。同時に、彼らはラウルがシャムスの騎士団長であることを知らないのだと確信する。
「私が少し前まで騎士団長であったことまで知っています」
「それは何故?」
「サウラ王子から聞いたのでしょう」
「サウラ王子……。確かに、ラウル様はサウラ王子と親交があるが……」
オネストは煮え切らないといった顔で考え込む。
「あの、カミリア様……。貴女はシャムスについて、どう思われますか?」
「どう、と言うと?」
ルナはきっと差別について聞きたいのだろうと察するが、勘違いを避けるために聞いた。するとルナはうつむき、口をもごもごさせる。それを見たオネストは、イラ立ちながら口を開く。
「質問するなら最後までしたらどうだ? シャムス人は、赤髪や黒髪、女を差別しているだろう? ブロンド髪の人間は、赤髪と黒髪を虐げて楽しんでいる。貴女もそうなのではないか。ルナはそう聞きたいんだろう」
「私、そこまで言うつもりじゃ……!」
ルナは叫ぶように言うが、カミリアを見て再びうつむいてしまう。その態度はカミリアの中の答えを確信に変えていった。
「間違っていたらごめんなさい。ふたりは、シャムス人なの? ふたりだけじゃない。ここの使用人達のほとんどが、そうなんじゃない?」
そう考えると、辻褄が合う。ここの使用人はほとんどが赤髪と黒髪だ。それに彼らがラウルを見る目は、尊敬や忠誠では言い表せないものを感じる。ラウルが虐げられているシャムス人を使用人として雇っているとしたら、どれも納得がいく。