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氷の戦乙女は人たらし公爵に溺愛される〜甘く淫らに溶かされて〜
第4章 フェガリ
「そろそろ診察も終わった頃でしょう」
オネストは咳払いをすると、立ち上がって部屋を出る。
「オネストはああ言ってますけど、カミリア様のこと、ちゃんと信頼しようとしています。だから、途中で敬語を使うようになったんですよ」
言われてみれば、オネストは途中から敬語になっていた。それが可愛く思えて、ルナと笑い合う。
「ありがとう、ルナ。それと、外では私のことは……」
「分かっていますよ、ソニア様。さぁ、私達も行きましょう」
ルナはカミリアの言葉を遮って笑ってみせると、部屋を出た。カミリアも後に続き、ラウルの部屋に入る。
「シャムスの薬師が言ったとおり、過労と風邪ですな。この薬を飲んでいたら良くなるじゃろうが、万が一治らなかった場合は、この薬を飲ませるといい」
医者は薬が入った違う色の紙袋をサイドテーブルに置くと、カミリアを見る。
「その薬師に、いつか会ってみたいものじゃな」
「えぇ、是非。黒髪が美しい、素敵な女性です」
「ほほう、そうかそうか。シャムスに旅行へ行くのも悪くないかもしれんのぅ」
医者は嬉しそうに言うと、診察カバンを持って部屋を出た。ルナは見送ろうと彼を追いかける。
「まったく、無理をするなとあれほど言ったのに……」
オネストは苦虫を噛み潰したような顔で、ラウルの寝顔を見る。
「そんなに無理をしていたの?」
「えぇ、貴女が来て少しマシになりましたが、頻繁にお忍びに出かけていましたからね。仕事は夜遅くまでしていました。この忙しい時期に、何故お忍びなんかしていたのか……」
オネストはやれやれと肩をすくめ、部屋を出ていった。
「本当に、何を考えているの?」
もしラウルが国王を目指しているのなら、シャムスの騎士団に構っている暇などないはずだ。そこまで無理をしてシャムスにいた理由は、見当もつかない。
ラウルが良くなったら色々聞こうと考えながら、カミリアの自室に戻って休むことにした。
オネストは咳払いをすると、立ち上がって部屋を出る。
「オネストはああ言ってますけど、カミリア様のこと、ちゃんと信頼しようとしています。だから、途中で敬語を使うようになったんですよ」
言われてみれば、オネストは途中から敬語になっていた。それが可愛く思えて、ルナと笑い合う。
「ありがとう、ルナ。それと、外では私のことは……」
「分かっていますよ、ソニア様。さぁ、私達も行きましょう」
ルナはカミリアの言葉を遮って笑ってみせると、部屋を出た。カミリアも後に続き、ラウルの部屋に入る。
「シャムスの薬師が言ったとおり、過労と風邪ですな。この薬を飲んでいたら良くなるじゃろうが、万が一治らなかった場合は、この薬を飲ませるといい」
医者は薬が入った違う色の紙袋をサイドテーブルに置くと、カミリアを見る。
「その薬師に、いつか会ってみたいものじゃな」
「えぇ、是非。黒髪が美しい、素敵な女性です」
「ほほう、そうかそうか。シャムスに旅行へ行くのも悪くないかもしれんのぅ」
医者は嬉しそうに言うと、診察カバンを持って部屋を出た。ルナは見送ろうと彼を追いかける。
「まったく、無理をするなとあれほど言ったのに……」
オネストは苦虫を噛み潰したような顔で、ラウルの寝顔を見る。
「そんなに無理をしていたの?」
「えぇ、貴女が来て少しマシになりましたが、頻繁にお忍びに出かけていましたからね。仕事は夜遅くまでしていました。この忙しい時期に、何故お忍びなんかしていたのか……」
オネストはやれやれと肩をすくめ、部屋を出ていった。
「本当に、何を考えているの?」
もしラウルが国王を目指しているのなら、シャムスの騎士団に構っている暇などないはずだ。そこまで無理をしてシャムスにいた理由は、見当もつかない。
ラウルが良くなったら色々聞こうと考えながら、カミリアの自室に戻って休むことにした。