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Tears【涙】~神様のくれた赤ん坊~
第3章 ♠Round.Ⅰ(喪失)♠
治療の甲斐あってか、卵管の通りは良くなり、排卵には問題が殆どなくなった。そこまでで治療を始めて二年が経過していた。子宮筋腫の方ももちろん薬での治療は続けていたけれど、目立った改善はなかった。
30歳になっていたこともあり、いよいよ本格的な不妊治療が始まった。ここからはもちろん直輝の協力がなくてはならず、まずは排卵のタイミングに合わせて夫婦生活をするタイミング法を試みてから、人工授精に移った。しかし、一向に天使は舞い降りてこなかった。当然のように治療はどんどん高度化してゆく。
人工授精を11回試みて何の成果も得られないまま、体外受精に挑戦することになった。当たり前のことだが、人工授精と体外受精ではその用いられる技術も費用も格段に違いすぎる。体外受精を三度ほど行ってもやはり妊娠はできなかったある日、直輝がポツリと言った。
30歳になっていたこともあり、いよいよ本格的な不妊治療が始まった。ここからはもちろん直輝の協力がなくてはならず、まずは排卵のタイミングに合わせて夫婦生活をするタイミング法を試みてから、人工授精に移った。しかし、一向に天使は舞い降りてこなかった。当然のように治療はどんどん高度化してゆく。
人工授精を11回試みて何の成果も得られないまま、体外受精に挑戦することになった。当たり前のことだが、人工授精と体外受精ではその用いられる技術も費用も格段に違いすぎる。体外受精を三度ほど行ってもやはり妊娠はできなかったある日、直輝がポツリと言った。