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Tears【涙】~神様のくれた赤ん坊~
第5章 ♠RoundⅢ(淫夢)♠
あれほど責める言葉は口にしてはいけないと自戒していたというのに、やはり、言ってしまった。
そう思っても、言葉は二度と取り戻せやしない。そうなると、直輝がなかなか応えないことにも意味があるような気がして、余計に苛立ってしまう。
「ねえ、どうして?」
「別に理由なんて、ないさ」
「でも、そんなに腕時計に興味があるのなら、私と付き合ってた頃に、少しでも、そういう話をしたはずじゃない?」
「誰だって、他人には話さずに大切にしまっておきたいものがあるだろ」
「他人? 私は直輝さんにとって、他人なの?」
「そういう問題じゃないだろうが」
「話をはぐらかさないで。私が他人だから話したくなくて、有喜菜には話せた? なら、有喜菜は一体、あなたの何なのよ?」
そう思っても、言葉は二度と取り戻せやしない。そうなると、直輝がなかなか応えないことにも意味があるような気がして、余計に苛立ってしまう。
「ねえ、どうして?」
「別に理由なんて、ないさ」
「でも、そんなに腕時計に興味があるのなら、私と付き合ってた頃に、少しでも、そういう話をしたはずじゃない?」
「誰だって、他人には話さずに大切にしまっておきたいものがあるだろ」
「他人? 私は直輝さんにとって、他人なの?」
「そういう問題じゃないだろうが」
「話をはぐらかさないで。私が他人だから話したくなくて、有喜菜には話せた? なら、有喜菜は一体、あなたの何なのよ?」