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Tears【涙】~神様のくれた赤ん坊~
第6章 ♠RoundⅣ(踏み出した瞬間)♠
「あの制服はN中ね」
紗英子の口からは無意識に言葉が出ていた。
「そうね」
有喜菜が応える。
N中は紗英子や有喜菜、直輝が通った公立中学である。
「それにしても、やんちゃな女の子ねぇ」
紗英子は笑った。女子中学生は斜面を滑り降りると、後ろ向いてピースして手を振っている。
「もう! 糸織(しおり)ったら、危ないじゃない。肝が冷えるわ」
河原に伸びた小道を向こうから自転車を押した少女がやってくる。セーラー服姿は同じN中の生徒だ。
「優奈(ゆうな)ったら、大袈裟なんだから」
糸織と呼ばれた少女は笑いながら、走ってゆく。
「ちょっ。糸織、待ちなさいってば」
自転車の少女は慌てて友達を追いかけていった。
紗英子の口からは無意識に言葉が出ていた。
「そうね」
有喜菜が応える。
N中は紗英子や有喜菜、直輝が通った公立中学である。
「それにしても、やんちゃな女の子ねぇ」
紗英子は笑った。女子中学生は斜面を滑り降りると、後ろ向いてピースして手を振っている。
「もう! 糸織(しおり)ったら、危ないじゃない。肝が冷えるわ」
河原に伸びた小道を向こうから自転車を押した少女がやってくる。セーラー服姿は同じN中の生徒だ。
「優奈(ゆうな)ったら、大袈裟なんだから」
糸織と呼ばれた少女は笑いながら、走ってゆく。
「ちょっ。糸織、待ちなさいってば」
自転車の少女は慌てて友達を追いかけていった。