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Tears【涙】~神様のくれた赤ん坊~
第6章 ♠RoundⅣ(踏み出した瞬間)♠

キッチンの流しに行くと、包丁立てから、眼に付いた包丁を握りしめリビングに駆け戻る。
「もし、あなたがどうしても協力しないと言い張るのなら、私は今、ここで生命を絶つわよ。元々、子どもができない、いない人生なんて、生きていても仕方がないと思っていたの。いよいよ子宮を取ることになったときも、何度自殺しようかと思ったわ。それがまだ少しでも見込みがあると判ったんだもの、試してみない法はないでしょ。もし、それでも駄目なら、諦めもつくけど、やりもしない中から諦めるなんて考えられない」
紗英子は刃物を両手に握りしめ、喉元に当てた。
「紗英子、お前は自分が何を口走っているか自覚はあるのか?」
直輝の眼は信じられないものでも見るかのようだ。
「単なる脅しだと思う? 思うのなら、それでも良いわ。本気になった女がどれだけの覚悟を持っているか、見てみると良いんだわ」
「もし、あなたがどうしても協力しないと言い張るのなら、私は今、ここで生命を絶つわよ。元々、子どもができない、いない人生なんて、生きていても仕方がないと思っていたの。いよいよ子宮を取ることになったときも、何度自殺しようかと思ったわ。それがまだ少しでも見込みがあると判ったんだもの、試してみない法はないでしょ。もし、それでも駄目なら、諦めもつくけど、やりもしない中から諦めるなんて考えられない」
紗英子は刃物を両手に握りしめ、喉元に当てた。
「紗英子、お前は自分が何を口走っているか自覚はあるのか?」
直輝の眼は信じられないものでも見るかのようだ。
「単なる脅しだと思う? 思うのなら、それでも良いわ。本気になった女がどれだけの覚悟を持っているか、見てみると良いんだわ」

