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Tears【涙】~神様のくれた赤ん坊~
第3章 ♠Round.Ⅰ(喪失)♠
 この際、自分も直輝にプレゼントを贈るというのも良いかもしれない。でも、直輝が欲しいものって、何だろう。
 考えてみても、なかなか思い浮かばなかった。
 自宅に戻って三日が過ぎた。直輝は毎日、以前と同じように出社する。紗英子がもう家事くらいは大丈夫だと言うのに、彼はじっと寝ていろと言い張ってきかない。なので、晩の食事はすべて店屋物だ。ピザの宅配を取ることもあれば、直輝が会社帰りにコンビニ弁当を買って帰ることもある。
 朝はトーストとコーヒーとサラダだけなので、直輝が簡単に作った。むろん、洗い物も直輝が全部担当する。
 その日も直輝がすべてやってくれ、紗英子は何もすることはなく終わった。別に、それほどの重病人というわけでもないのにと夫の壊れ物を扱うような仕草に笑ってしまうけれど、大切にして貰っていると思えば、嬉しくないはずがない。
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