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Tears【涙】~神様のくれた赤ん坊~
第11章 ♦RoundⅧ(溺れる身体、心~罠~)♦
掠れた声が耳朶を掠め、また戦慄にも似た快感が四肢を走り抜ける。知り合ってから二十四年目にして、今日、有喜菜は初めて直輝に抱かれた。そのわずかな時間で、生まれて初めての絶頂を知り、女としての歓びも哀しみも知り得たのだった。
初めてホテルで結ばれてからというもの、二人は週に一度は身体を重ねた。大抵は嵐のようなひとときを過ごし、有喜菜は彼の腕の中で何度も花びらを散らした。
妊婦でありながら、男に抱かれて悦がり狂う自分が何故かとても淫らな堕落した女になったように思えた。しかし、好きな男に求められて、嬉しくないはずはない。
有喜菜のお腹が大きく膨らんでゆくにつれて、ホテルでの行為も自然と穏やかなものになり、直輝は直輝で有喜菜を思いきり抱いて感じさせたいという欲望と懸命に闘っているようにも見えた。
初めてホテルで結ばれてからというもの、二人は週に一度は身体を重ねた。大抵は嵐のようなひとときを過ごし、有喜菜は彼の腕の中で何度も花びらを散らした。
妊婦でありながら、男に抱かれて悦がり狂う自分が何故かとても淫らな堕落した女になったように思えた。しかし、好きな男に求められて、嬉しくないはずはない。
有喜菜のお腹が大きく膨らんでゆくにつれて、ホテルでの行為も自然と穏やかなものになり、直輝は直輝で有喜菜を思いきり抱いて感じさせたいという欲望と懸命に闘っているようにも見えた。