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Tears【涙】~神様のくれた赤ん坊~
第12章 ♦予知夢~黒い霧~♦
「私の子ども? 私一人の子どもだっていうの! あの子は、あなたの子どもでもあるのよ?」
激した口調で言い募るのに、直輝は頷いた。
「それは判っている。生まれてくるまでは愛情が持てるかどうか自分でも不安だったが、こうして、生まれてきた子どもを見ていると、愛おしいと心から思えるよ」
「じゃあ、何故? どうして、別れようなんて言うの? あなたは自分の血を分けた子どもを棄てるというの」
直輝がゆっくりと首を振った。
「たとえ代理出産で生まれた子どもではなくても、子どもがいながら離婚する夫婦はたくさんいる。考えてごらん、互いに情の通い合わない両親の下で育つ子どもが果たして幸せといえると思うかい?」
「―」
その科白に、紗英子は息を呑んだ。
激した口調で言い募るのに、直輝は頷いた。
「それは判っている。生まれてくるまでは愛情が持てるかどうか自分でも不安だったが、こうして、生まれてきた子どもを見ていると、愛おしいと心から思えるよ」
「じゃあ、何故? どうして、別れようなんて言うの? あなたは自分の血を分けた子どもを棄てるというの」
直輝がゆっくりと首を振った。
「たとえ代理出産で生まれた子どもではなくても、子どもがいながら離婚する夫婦はたくさんいる。考えてごらん、互いに情の通い合わない両親の下で育つ子どもが果たして幸せといえると思うかい?」
「―」
その科白に、紗英子は息を呑んだ。