この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Tears【涙】~神様のくれた赤ん坊~
第4章 ♠RoundⅡ(哀しみという名の現実)♠
―健康な赤ちゃんでも、二十一週ではなかなか体外では生きられません。ましてや、このお子さんには心臓の先天的な欠陥がありました。無事に生まれても、生き抜くのは難しかったでしょう。
医師は慰めにもならない言葉をかけた。
三度めの妊娠は離婚する直前に発覚した。少し前から体調がおかしくて、もしかしたらそうなのかもしれないと有喜菜自身も気づいていたのだけれど、仕事の方が立て込んでおり、なかなか受診する機会がなかった。
そんなある夜、夫が酔って帰宅、夫婦喧嘩になった。夫が有喜菜を殴り、よろめいた有喜菜は転倒し腹部をしたたか打った。翌朝、トイレで大量出血し、すぐに受診したが、子どもはもう流産してしまった後だった。既に四ヶ月に入っていただろうとのことだった―。
それが、有喜菜の離婚の直接の原因となったことは言うまでもない。
医師は慰めにもならない言葉をかけた。
三度めの妊娠は離婚する直前に発覚した。少し前から体調がおかしくて、もしかしたらそうなのかもしれないと有喜菜自身も気づいていたのだけれど、仕事の方が立て込んでおり、なかなか受診する機会がなかった。
そんなある夜、夫が酔って帰宅、夫婦喧嘩になった。夫が有喜菜を殴り、よろめいた有喜菜は転倒し腹部をしたたか打った。翌朝、トイレで大量出血し、すぐに受診したが、子どもはもう流産してしまった後だった。既に四ヶ月に入っていただろうとのことだった―。
それが、有喜菜の離婚の直接の原因となったことは言うまでもない。