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Tears【涙】~神様のくれた赤ん坊~
第4章 ♠RoundⅡ(哀しみという名の現実)♠
 有喜菜は丁度通り掛かった若いウエイターを呼び止め、ホットコーヒーとチーズケーキを注文する。
「あなたは?」
 問われ、紗英子は小さな声でアイスティーをミルクでと付け加えた。
 ウエイターが去ってから、有喜菜が訊ねた。
「お昼ご飯は食べた?」
「―ええ」
 本当は出かける支度に余念がなくて、食べる時間がなかったのだけれど、何故か素直に口に出せなかった。
「そう、なら良かった」
 有喜菜は安心したように笑い、しげしげと紗英子を見つめた。
「幾ら何でも少し痩せすぎじゃない? もう少し食べなくちゃ」
 紗英子は弱々しく微笑んだ。
「まだ病み上がりだもの。その中、嫌でも食欲が出てくるでしょう」
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