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Tears【涙】~神様のくれた赤ん坊~
第4章 ♠RoundⅡ(哀しみという名の現実)♠
 まるで他人事のように淡々と言い、上目遣いに有喜菜を見上げた。
「有喜菜は食べたの?」
「ここに来る直前にね、上司がいつになく気前よく鰻丼でも食べないかって誘ってくれて、奢りで食べてきちゃった」
 紗英子は呆れたように肩を竦める。
「鰻丼食べて、すぐにチーズケーキ? 太るわよ?」
 脅すように言うと、有喜菜は声を上げて笑った。
「そんなこと、私はいちいち気にしないわ。食べたいときに食べたいものを食べる。人生いつ何があるか判らないんだもの。ダイエットなんて、くだらない、くだらない」
「それにしては相変わらずの見事なプロポーションね。食べたいだけ食べて、モデル並みの体型を維持できるなんて、私には到底信じられないわ」
 半ば冗談のように口にしたが、それは全くの本音であった。
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