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Tears【涙】~神様のくれた赤ん坊~
第4章 ♠RoundⅡ(哀しみという名の現実)♠
 その一大事を迎えたばかりの紗英子にどうやって逢えばよいのか、当然、哀しみに打ちひしがれているに違いないであろう友に何と言葉をかけたら良いか判らない。それは有喜菜にしてみれば、当然の心境であったに違いない。有喜菜は有喜菜で見舞いに来たくても来れられなくて遠慮していただけだろう。
 退院して少し日を置いた今ならば、子宮を失った直後よりは少しはショックからも立ち直っている。そう思って、有喜菜の方からわざわざ電話してきてくれたのだ。
 現に、彼女は何度も〝元気そうで良かった〟と繰り返していた。昔から紗英子と違い、有喜菜は裏表のない質だ。紗英子は時折、自分でも嫌になるくらい、本音と建て前が違うことがある。心で幾ら相手を嫌っていたとしても、その人の前にいざ出ると、笑顔で心にもないお愛想を言ったりする。
 有喜菜はそんな腹芸はできない。思ったことはいつもストレートに口にするし態度にも出すから、結構敵もいた。もっとも、彼女は弱い子や困った子も放っておけなくて、いつも世話を焼いていたし、いじめられっ子を見つけようものなら身を挺して庇っていた。だから、有喜菜のことをよく言わない子も少数ではあったがいたけれど、その分、大勢の友達に信頼され、慕われていた。
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