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Tears【涙】~神様のくれた赤ん坊~
第4章 ♠RoundⅡ(哀しみという名の現実)♠
後ろからやってきた母親から、きつい声が飛んでくる。
「お久しぶりです。赤ちゃん、また少し大きくなりましたね」
紗英子が改めて声をかけると、母親が不審げなまなざしをくれ、次いでハッとした表情になった。
「病院にいた方ですよね? もう、退院されたんですか?」
「はい。といっても、つい三日前のことですけど」
紗英子が微笑むのに、母親は曖昧な笑みを浮かべた。
「それは良かったです」
更に、チョコレートと風船を両手に持って飛び跳ねる息子を一瞥した。
「申し訳ありませんが、息子には甘いものは虫歯になるので与えない主義なもので」
と、拓也の手からチョコレートを引き取るようにして奪い、突き返してきた。
「お久しぶりです。赤ちゃん、また少し大きくなりましたね」
紗英子が改めて声をかけると、母親が不審げなまなざしをくれ、次いでハッとした表情になった。
「病院にいた方ですよね? もう、退院されたんですか?」
「はい。といっても、つい三日前のことですけど」
紗英子が微笑むのに、母親は曖昧な笑みを浮かべた。
「それは良かったです」
更に、チョコレートと風船を両手に持って飛び跳ねる息子を一瞥した。
「申し訳ありませんが、息子には甘いものは虫歯になるので与えない主義なもので」
と、拓也の手からチョコレートを引き取るようにして奪い、突き返してきた。