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Tears【涙】~神様のくれた赤ん坊~
第4章 ♠RoundⅡ(哀しみという名の現実)♠
新婚時代はともかく、不妊治療を始めてからというもの、直輝からあからさまに誘ってきたことはなかった。直輝は基本的に不妊治療を嫌がっていた。医師から排卵日に合わせて指示される夫婦の営みというものを嫌っていたのだ。
―まるで義務のように思えて、重荷としか思えない。
しょっちゅう零していた。
しかし、辛いのは紗英子も同じだった。
―疲れたと言ってるだろうが! 幾ら医者に言われたって、こっちとら都合もあるんだぞ。とにかく今夜はその気になれない。
―そんなこと言わないで。
紗英子は涙ながらに直輝に懇願したものだ。
―今夜に合わせて排卵がうまく起こるように注射して薬まで飲んだのよ? 今夜のチャンスを逃せば、また長い間、次の排卵日まで待たないといけないのに。
―まるで義務のように思えて、重荷としか思えない。
しょっちゅう零していた。
しかし、辛いのは紗英子も同じだった。
―疲れたと言ってるだろうが! 幾ら医者に言われたって、こっちとら都合もあるんだぞ。とにかく今夜はその気になれない。
―そんなこと言わないで。
紗英子は涙ながらに直輝に懇願したものだ。
―今夜に合わせて排卵がうまく起こるように注射して薬まで飲んだのよ? 今夜のチャンスを逃せば、また長い間、次の排卵日まで待たないといけないのに。