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Tears【涙】~神様のくれた赤ん坊~
第4章 ♠RoundⅡ(哀しみという名の現実)♠
 そのときもまた〝仕事で疲れた、その気にならない〟のひと言で片付けられてしまったら、自分はどうすれば良い?
―お前が必死になればなるほど、俺の気持ちは冷えてゆくんだ。こんな気持ちでセックスなんて、できると思うか?
 毎度、同じような繰り返しが続いた。時には
―お前はそんなにまでセックスがしたいのか! この淫乱女め。
 聞くに堪えないような嘲りの言葉を投げつけられたこともある。
 あの時、直輝に突きつけられた科白が今、まざまざと耳奥で甦ってきた。
 直輝が座ると、ベッドがわずかに軋んだ。覆い被さってきた夫を見上げ、紗英子は感情のこもらない声で聞いた。
「どうして?」
「―」
 直輝の眼が訝しげに細められる。
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