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決別
第1章
──あったかいな。気持ちいい。
大好きな人と今、結ばれてる。
「可愛い、瞳子」
「健吾…っ、っあ、…んうっ…」
深く深く。身も心も健吾で満たされてく。
「…瞳子が感じるとさ…奥、キュって締まるんだよね」
「…やだ、恥ずかしいよ」
「なんで?気持ちいいし、幸せだよ」
──幸せ。うん、そうだね。
貴方が思ってる以上に、私も幸せだよ。
恥ずかしくて、なかなか言えないけど。
「愛してる、瞳子」
貴方が思ってる以上に、私も愛してるよ、健吾。
─────────────
「ひどくない?急に」
「仕事だもん、しょーがねって」
楽しい休日に水を差した、健吾の会社からの呼び出し。
仕事じゃ仕方ない。そんなのわかってる。でも、ねぇ。
ぶーたれる私を苦笑混じりになだめながら、
健吾は身支度を整え、靴を履き、玄関を開けた。
「行ってくるね、瞳子」
「はーい。気を付けてね」
せっかく一日中イチャイチャできると思ったのにな。
次の休日までお預けだ。
「瞳子、」
「ん?」
「愛してるよ」
〰〰あぁ、もう。
何、その真っ直ぐな眼差しと満面の笑み。
こっ恥ずかしさに負け、言葉に詰まっている間に
健吾は出かけて行ってしまった。
…ちょっとだけ、悲しそうな顔してたな。
帰ってきたら思いっきりハグしてあげよう。
さあぁて、私はこれからどうしようかな。
とりあえず、もう一眠りしよう。少し怠いや。
掃除、洗濯、後片付け。
持ち帰りの仕事。
義実家への電話。
現実に戻るのは、次に目が覚めた時でいいや──