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100万本の赤い薔薇
第5章 再会
飲み終わったカップをキッチンに運んだ茉莉子は、
本当に調理器具も殆どないことに気付いて驚いた。

結依が、
「スポンジと食器用洗剤探して、
百貨店に行った」と言ってたのを思い出した。

以前、長谷川がトースターもないと言ってたのも本当だった。

ざっと見渡したところ、
ステンレス製のマグカップとグラスが二個ほどしかない。
皿すらないので、殆ど外食だったのだろう。

成長期の結衣と、長谷川自身の健康が気になってしまった。


カップを洗って拭き上げてトートバッグに戻して、
「では、戻りますね」と小さい声で言うと、

「なんか、心配だから一緒に居たいな」と長谷川が茉莉子を引き留めるように手を握り締めて言った。

「そうした方が良いんじゃない?」と結依までが言うが、
そういうわけには…と茉莉子が躊躇すると、

「だったら、茉莉子の部屋のベッドで、
川の字で寝ようか。
或いは、俺がソファで寝るよ。
朝、起きたら、
結依がコーヒー係して、
茉莉子にトースト焼いてもらって食べてから、
モカちゃんの散歩して、
その後、食材の買い出しと家具を見に行けば効率的だろう」と長谷川が言った。

「大賛成!」と結依が答えて、
そのまま3人で、上の部屋に戻った。
結依はパジャマと犬のぬいぐるみを抱えてる。


茉莉子は、拓人用にと整えてある部屋のベッドに、
真新しいシーツやブランケットを用意して、

「結依ちゃん、ひとまずここで眠ってね」と言った。


室内のデスクに、アロマオイルをキャンドルで焚いてくれるので、優しい香りが拡がった。
小さい焔の揺らぎで落ち着いた気持ちになる。

「これ…拓人くん?」と、改めて写真のことを訊くと、
茉莉子は小さく頷いた。


「おやすみなさい。明日は忙しいわよ」と言って、
茉莉子はそっとドアを閉めた。
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