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100万本の赤い薔薇
第5章 再会
茉莉子はシャワーを浴びて部屋着に着替えると、
長谷川にもシャワーをしたら?と声を掛けた。

確かに少し興奮してしまい、
トランクスの中が気になったので、
一度部屋に戻って着替えてくるよと言って階下に向かった。


茉莉子は、前夜の残りの栗ご飯を小振りのお結びにして、
お味噌汁、薄い銀杏切りにした大根を塩揉みして、
即席のお漬物風にする。
だし巻き卵と焼きタラコを一欠片ずつをそれぞれのお皿に載せた。
和風のワンプレート朝食になる。

大きめのポットに焙じ茶を入れて、
トレイに湯呑みと一緒にセットした。

お天気も良いので、テーブルクロスを手にベランダに出て回り込むと、
ちょっとしたテラスほどのスペースに木製のテーブルセットがあるので、そこにクロスを掛けてお茶のトレイを運んだ。


長谷川が戻って来たので、リビング側のベランダに置いてあるアウトドア用のチェアを、テラス側に運ぶよう頼んだ。

「こっちにテラスもあったのか。
バーベキューとかも出来そうだな」と嬉しそうに言った。


「結依ちゃん、起こして来てください」と言いながら、
モカのご飯と水もベランダに運んだ。


目を擦りながら起きて来た結依に、

「お顔洗ったら、ご飯のお皿運ぶの、手伝ってね」と声を掛ける。

自分の箸と大皿を持って、3人でベランダに出た。


「わー!ピクニックみたい!!」
結依が声を上げる。


「こっちからも別のお部屋に入れるの?」

「中からも入れる私の作業部屋と防音のレッスンルームがあるの」

「レッスンルーム?」

「あんまり上手じゃないけど、ヴァイオリン弾きたい時の為にね。
結構音が響くし、湿度管理もしたいから」
と言った。

「じゃあ、今度、私が伴奏するから、
茉莉子さんのヴァイオリン、聴きたいな」
と結依が楽しそうに言った。

「練習しなくちゃね」

夜中、眠れない時に、
その部屋に篭ってヴァイオリンを弾くことも多かった。

また、ついつい考え事をしてしまう時は、
その部屋で刺繍をしていた。


結依と長谷川が、夜、部屋に来るようになって、
そんな時間は着実に減っていた。

いつか、拓人がここで過ごすようになったら…

茉莉子はどこか遠くに意識を持っていかれてしまったような感覚になった。

「食後のコーヒー、淹れてくるね」という結依の声で、
ハッと我に返った。
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