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100万本の赤い薔薇
第5章 再会
「はぁ。すごく疲れた〜」
と結依が言うので、
「上でご飯にしましょうか?
今日は、おにぎりだけよ」
と笑った。
「茉莉子さんが作るモノなら、
なんでも食べる〜!!」と言うので、
3人は茉莉子の部屋に戻った。
「うがいして、手もよく洗いましょうね。
お掃除すると思ったより汚れちゃうから」と言う。
茉莉子は、Tシャツとジーンズから部屋着に戻った。
「ジーンズも良かったのになぁ」と、長谷川が言うが、
「茉莉子さんなら、何着てても良いって言うんでしょ」と結依が笑った。
おにぎりとお味噌汁、
卵焼きとウィンナー、
温野菜のサラダで簡単な夕食を取った。
「そうだ!
茉莉子さんのヴァイオリン、聴きたい!
ピアノの伴奏、練習したよ?」
と結依が言った。
「茉莉子、疲れてないか?」と、
長谷川が気遣った。
「長谷川さんが食器運んでくださるなら、
ヴァイオリン弾こうかしら?」と、笑った。
「やった!お父さん、食器運んで!
私も手伝うから!」と結依は小躍りするように言った。
茉莉子は奥の部屋に入り、
防音ルームでヴァイオリンケースを開けると、
丁寧に弓の張り具合を調整してから松脂をつけて調弦した。
いつものウォーミングアップの為に音を出して微調整する。
リビングに戻ると、結依は既にピアノの前に座り、
長谷川はモカを膝に載せてソファで寛いでいた。
ヴァイオリンを構えて目を閉じた茉莉子は、
心が何処か遠くに飛んでいってしまっているようだ。
暫くすると一呼吸して目を開き、
そっと結依を見て頷いた。
いつもと顔つきも違って見えたが、
どう違うか、上手く言えないほどだった。
静かにゆっくりと結依の演奏が始まり、
それにのせるように茉莉子のヴァイオリンが追い掛ける。
初めはそっと、呟くように…
会話をするように。
やがて、心の底から魂が語り掛けるように。
演奏中、茉莉子が結依を見ることはなかったが、
目を瞑りながらも、
ピアノの音をずっと観ているかのようだった。
最後の音が静かに流れて消えても、
茉莉子も結依も暫く動けないでいた。
長谷川も動けずにいた。
茉莉子がようやく、
息を吸い込むようにして、
ヴァイオリンを顎の下から離した。
と結依が言うので、
「上でご飯にしましょうか?
今日は、おにぎりだけよ」
と笑った。
「茉莉子さんが作るモノなら、
なんでも食べる〜!!」と言うので、
3人は茉莉子の部屋に戻った。
「うがいして、手もよく洗いましょうね。
お掃除すると思ったより汚れちゃうから」と言う。
茉莉子は、Tシャツとジーンズから部屋着に戻った。
「ジーンズも良かったのになぁ」と、長谷川が言うが、
「茉莉子さんなら、何着てても良いって言うんでしょ」と結依が笑った。
おにぎりとお味噌汁、
卵焼きとウィンナー、
温野菜のサラダで簡単な夕食を取った。
「そうだ!
茉莉子さんのヴァイオリン、聴きたい!
ピアノの伴奏、練習したよ?」
と結依が言った。
「茉莉子、疲れてないか?」と、
長谷川が気遣った。
「長谷川さんが食器運んでくださるなら、
ヴァイオリン弾こうかしら?」と、笑った。
「やった!お父さん、食器運んで!
私も手伝うから!」と結依は小躍りするように言った。
茉莉子は奥の部屋に入り、
防音ルームでヴァイオリンケースを開けると、
丁寧に弓の張り具合を調整してから松脂をつけて調弦した。
いつものウォーミングアップの為に音を出して微調整する。
リビングに戻ると、結依は既にピアノの前に座り、
長谷川はモカを膝に載せてソファで寛いでいた。
ヴァイオリンを構えて目を閉じた茉莉子は、
心が何処か遠くに飛んでいってしまっているようだ。
暫くすると一呼吸して目を開き、
そっと結依を見て頷いた。
いつもと顔つきも違って見えたが、
どう違うか、上手く言えないほどだった。
静かにゆっくりと結依の演奏が始まり、
それにのせるように茉莉子のヴァイオリンが追い掛ける。
初めはそっと、呟くように…
会話をするように。
やがて、心の底から魂が語り掛けるように。
演奏中、茉莉子が結依を見ることはなかったが、
目を瞑りながらも、
ピアノの音をずっと観ているかのようだった。
最後の音が静かに流れて消えても、
茉莉子も結依も暫く動けないでいた。
長谷川も動けずにいた。
茉莉子がようやく、
息を吸い込むようにして、
ヴァイオリンを顎の下から離した。