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100万本の赤い薔薇
第5章 再会
結依は感動のあまり、鳥肌が立って動けなかった。
「茉莉子さん、凄い。凄いよ」
茉莉子は、フラフラと長谷川の隣に座った。
「結依ちゃんのピアノの音が素敵だったから集中しすぎちゃったわ」
と言った茉莉子は、身体が小刻みに震えていた。
長谷川は、茉莉子の震えが収まるよう、
そっと茉莉子を抱き締めた。
「茉莉子さんのヴァイオリン、もっと聴きたい」
「魂が削られちゃうから、
沢山は弾けないのよ」と茉莉子が戯けた顔で言うが、
本当に魂が削られているのではないか?と長谷川は本気で心配するほどだった。
「子供の時に聴いた、ユーモレスク、聴きたいな」
と言われて、
拓人にもよく弾いてあげたのを思い出してしまった。
結依が譜面をパラパラと探してセットした。
ざっと譜面を確認すると、
茉莉子を見る。
「じゃあ、軽くいきましょうか?」と茉莉子が笑って立ち上がった。
カウントを取って、同時に演奏を始めた。
今度は、結依の顔を見ながら、
楽しそうにヴァイオリンを弾く。
心が遠くに飛んでいくこともなく、
ここに居る。
長谷川はそう感じて、ホッとした気持ちになった。
「ヴァイオリン、音が結構大きいし、
湿度が気になるから、
防音ルーム以外で弾くこと、あんまりなくて」と言った。
楽器にそう詳しくない長谷川でも多分貴重な楽器なんだろうと思いながら唯一知っている名前を出すと、
茉莉子は頷いた。
「亡くなった祖父の形見なの」と、
大切そうに撫でる。
「さて、夜更かししないように、今日は早めに寝ましょうね!
結依ちゃんは新しいベッドね。
亮太さんは、シュラフから元のベッドね?」
と言った。
一緒に寝たいなという長谷川を笑いながら追い出して、
茉莉子は久し振りに一人になったような気がした。
また、新しい1週間が始まる。
毎日、携帯を握り締めて、
連絡を待つ日々になるのだろう。
それと、結依の下着が気になった。
母親がきちんと目を行き届かせてなかったのが、一目で判るようなものだった。
ハンカチも、アイロンを掛けると言うこともされてなかった。
明日の夜、結依と買い物に行こう!と心に決めていた。
お節介過ぎるかしら?とも思ったけど、
あんな様子を見て、
そのままにはしておけないと茉莉子は考えた。
健太とのランチのことも考えなければ…
「茉莉子さん、凄い。凄いよ」
茉莉子は、フラフラと長谷川の隣に座った。
「結依ちゃんのピアノの音が素敵だったから集中しすぎちゃったわ」
と言った茉莉子は、身体が小刻みに震えていた。
長谷川は、茉莉子の震えが収まるよう、
そっと茉莉子を抱き締めた。
「茉莉子さんのヴァイオリン、もっと聴きたい」
「魂が削られちゃうから、
沢山は弾けないのよ」と茉莉子が戯けた顔で言うが、
本当に魂が削られているのではないか?と長谷川は本気で心配するほどだった。
「子供の時に聴いた、ユーモレスク、聴きたいな」
と言われて、
拓人にもよく弾いてあげたのを思い出してしまった。
結依が譜面をパラパラと探してセットした。
ざっと譜面を確認すると、
茉莉子を見る。
「じゃあ、軽くいきましょうか?」と茉莉子が笑って立ち上がった。
カウントを取って、同時に演奏を始めた。
今度は、結依の顔を見ながら、
楽しそうにヴァイオリンを弾く。
心が遠くに飛んでいくこともなく、
ここに居る。
長谷川はそう感じて、ホッとした気持ちになった。
「ヴァイオリン、音が結構大きいし、
湿度が気になるから、
防音ルーム以外で弾くこと、あんまりなくて」と言った。
楽器にそう詳しくない長谷川でも多分貴重な楽器なんだろうと思いながら唯一知っている名前を出すと、
茉莉子は頷いた。
「亡くなった祖父の形見なの」と、
大切そうに撫でる。
「さて、夜更かししないように、今日は早めに寝ましょうね!
結依ちゃんは新しいベッドね。
亮太さんは、シュラフから元のベッドね?」
と言った。
一緒に寝たいなという長谷川を笑いながら追い出して、
茉莉子は久し振りに一人になったような気がした。
また、新しい1週間が始まる。
毎日、携帯を握り締めて、
連絡を待つ日々になるのだろう。
それと、結依の下着が気になった。
母親がきちんと目を行き届かせてなかったのが、一目で判るようなものだった。
ハンカチも、アイロンを掛けると言うこともされてなかった。
明日の夜、結依と買い物に行こう!と心に決めていた。
お節介過ぎるかしら?とも思ったけど、
あんな様子を見て、
そのままにはしておけないと茉莉子は考えた。
健太とのランチのことも考えなければ…