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100万本の赤い薔薇
第1章 いつも見てた
「しかし、茉莉子は料理上手だよな。
何食べても美味い」


「ゆっくり、よく噛んで食べてよ」


夫婦みたいだな。

そんなことを考えながら、
どうして俺たち、結婚しなかったんだろう?と悔やむ。

タイミングの問題で合わなかったということもあったが、
何より、真人は茉莉子に対してコンプレックスを抱いていたことが大きく影響していたと、
真人自身、分析していた。


机を並べてた高校までも、
その後、それぞれ別の大学に行ってからも、
何においても、茉莉子が一枚も二枚も上にいて、
自分は何一つ敵わないと、真人はいつも感じていた。

勉強がとか、学歴が、という単純なことばかりではなく、
とにかく、彼女は自分にとっては女神のようで、完璧だった。

見た目も可愛い。
歳を経た今でも、年齢を感じさせない可愛さがある。
立ち居振る舞いは優雅で、
他の女子と比べても品がある。
性格も良いし、出来ないことは何もない。
学生時代は、酒でも敵わなかった。
ケラケラ笑いながら、
周りの男子学生を潰していたほどだった。


茉莉子が女神のようで、
自分にとって完璧すぎたことが原因だったのか、
大学時代に初めて茉莉子とセックスしようかという時、
勃たなかったこともコンプレックスに拍車を掛けた。

それ以降は、キスはするけど、
どうもそれ以上のことは出来ないまま、
茉莉子は突然結婚してしまった。


昔も、そして今でも、
自分が勝っているのは、
身長だけだと、自虐的なことを口にすると、


「勝ち負けなんて!
負けるが勝ちってこともあるじゃない」

と涼しい顔をしながら、
あっさりと真人の小さなプライドを、
まるでゴジラが街を踏み潰していくように壊すこともあった。

多分、茉莉子はそんな自覚もないし、
覚えてもいないことも多かったに違いない。


ちっぽけなプライドなんて、
とっとと捨て去って、
シンプルに好きだという気持ちを伝えて、
一緒に居たいと言えば良かったと、
真人はいまだに後悔している。


そして、その言葉を、
これからの人生で茉莉子に対して言える日が来ることを、
心の奥で望んでいるのに、
会えなかった時期に茉莉子に起きたことを考えると、
余計に簡単には口に出来ないとも思ってしまう真人だった。
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