この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
100万本の赤い薔薇
第5章 再会
アイロンは、使う時出して、
使い終わったら、コンセントを抜いて冷ましてから元に戻すように言われた。
付けっ放しの事故を防げるからとのこと。


長谷川の服が詰め込んである処を見てみようかとも思ったが、
本人が居ない時にするのは失礼よね?と言って、
ハンカチが詰め込んである、洗面所のタオルコーナーだけ見た。

そこからハンカチだけピックアップすると、

「私の部屋に戻って、お洗濯とアイロンしようかな?」と笑った。



茉莉子の部屋に戻ると、
洗濯機の前に行き、
ハンカチを中に入れた。
茉莉子のハンカチは洗濯ネットに入れて、
洗濯機を回した。


「ピアノ練習してれば?
私は結依ちゃんのカーテン縫っちゃうから」
と言うので、

「カーテン作るの、見てても良い?」と訊いて、
入ったことのない奥の部屋について行った。


奥の部屋は、ちょうど朝食をいただいたテラスに面していて、
更に奥に防音ルームがあるようだった。

壁際にカウンターのようなものと棚が一面廻らされていて、
カウンターのいくつかには、作り掛けと思われる刺繍枠が置いてあった。


「ここは、散らかしたいだけ、散らかしてもいいし、
出しっ放し、置きっ放しにしても良いと決めてるお部屋なの。
だから、私以外で入ったのは、結依ちゃんが初めてよ」と、
少し恥ずかしそうに笑った。

アンティークのような色のレースや糸、
様々な布にボタン、
分厚い洋書が並んだ古い書棚…
ロッキングチェアにビロードの貼られたカウチなど、
シンプルで何もないドアの向こう側の部屋に比べると、
色と物の洪水で、結依は目を丸くした。

でも、これも茉莉子の別の一面だと感じて、
それを知ってるのは自分だけだと思うと、うっとりさえした。


防音ルームは思いの外広くて、
アップライトピアノも置いてあった。


茉莉子がバタンと壁を触ると、
備え付けの大きなテーブルが出現した。

そこに広幅の布を広げて、真鍮製の重りをいくつか置くと、
長い定規で寸法を測り、一気にカッターでカットした。

横のテーブルに置きっぱなしにしているロックミシンで、端をかがってから工業用ミシンで縫い始めた。

「型紙とかは?」

「真っ直ぐなカーテンだから型紙は要らないわ。
タッグ入れても良いけど、埃を呼び込むし、
飽きたり、季節ごとに模様替えでカーテン替えるかもしれないしね」
/245ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ