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100万本の赤い薔薇
第5章 再会
拓人の顔を見て、絶句した。
何を見たのかは判らないが、
自分以上に酷い光景を目にしたのかもしれないと思うと、
心が張り裂けそうになる。
茉莉子は拓人を抱き締めて言った。
「本当にごめんなさい。
貴方を置いていくべきではなかった。
もう絶対に離さない」
拓人のシャツに、茉莉子の涙が染み込んでいく。
10年もの年月で、茉莉子よりかなり背も伸びていた。
「これからは、お母様は僕が護るから」
と拓人は言ったが、
言い淀みながら続けた。
「あのさ、長谷川さんて、あの子のお父さんだよね?
お母様とどういう関係なの?」
「!」
「あの子、自分の家みたいにこの部屋で過ごしてるじゃない?」
「長谷川さんは…」
そこに結依が帰ってきた。
「お父さんは、茉莉子さんのこと大好きなのよ。
茉莉子さんも多分?
でも、そのことと拓人くんのことは違う問題だと思う。
ちゃんとあれこれ決めて、
やりたいことをすれば良いんじゃない?
あ、言っとくけど、私も茉莉子さんのこと、大好きだからね!」
と、一気に捲し立てた。
茉莉子は微笑みながら言った。
「明日になれば、長谷川さんも帰ってくるから、
紹介するわ。
まだ、出会って間もないけど、
長谷川さんは私をとても大切にしてくれてるの。
拓人さんは、冷静な男性としての目で、長谷川さんを見極めてちょうだい。
それで気に入らなかったら…
大喧嘩して叩き出しちゃえば良いわよ」と思いもよらないことを言って声を立てて笑った。
「なんだかね、亮太さんと拓人さん、似てる気がするわ」と、付け加えた。
「さあ、夕食にしましょう。
急いで作ったからお味はどうかしら?
2人とも手を洗ってきて。
早く洗った方が、運ぶの手伝ってね」と言うので、
顔を見合わせた2人はバタバタと走り出した。
「大丈夫よ。洗面台、2つあるから!」と言いながら、
茉莉子は笑った。
そして、念の為ともう一度長谷川に電話をしたが、
やはり繋がらなかった。
どうしたのかしら?
お仕事でトラブルなのかしら?と思いながら、
ダイニングテーブルを拭いた。
何を見たのかは判らないが、
自分以上に酷い光景を目にしたのかもしれないと思うと、
心が張り裂けそうになる。
茉莉子は拓人を抱き締めて言った。
「本当にごめんなさい。
貴方を置いていくべきではなかった。
もう絶対に離さない」
拓人のシャツに、茉莉子の涙が染み込んでいく。
10年もの年月で、茉莉子よりかなり背も伸びていた。
「これからは、お母様は僕が護るから」
と拓人は言ったが、
言い淀みながら続けた。
「あのさ、長谷川さんて、あの子のお父さんだよね?
お母様とどういう関係なの?」
「!」
「あの子、自分の家みたいにこの部屋で過ごしてるじゃない?」
「長谷川さんは…」
そこに結依が帰ってきた。
「お父さんは、茉莉子さんのこと大好きなのよ。
茉莉子さんも多分?
でも、そのことと拓人くんのことは違う問題だと思う。
ちゃんとあれこれ決めて、
やりたいことをすれば良いんじゃない?
あ、言っとくけど、私も茉莉子さんのこと、大好きだからね!」
と、一気に捲し立てた。
茉莉子は微笑みながら言った。
「明日になれば、長谷川さんも帰ってくるから、
紹介するわ。
まだ、出会って間もないけど、
長谷川さんは私をとても大切にしてくれてるの。
拓人さんは、冷静な男性としての目で、長谷川さんを見極めてちょうだい。
それで気に入らなかったら…
大喧嘩して叩き出しちゃえば良いわよ」と思いもよらないことを言って声を立てて笑った。
「なんだかね、亮太さんと拓人さん、似てる気がするわ」と、付け加えた。
「さあ、夕食にしましょう。
急いで作ったからお味はどうかしら?
2人とも手を洗ってきて。
早く洗った方が、運ぶの手伝ってね」と言うので、
顔を見合わせた2人はバタバタと走り出した。
「大丈夫よ。洗面台、2つあるから!」と言いながら、
茉莉子は笑った。
そして、念の為ともう一度長谷川に電話をしたが、
やはり繋がらなかった。
どうしたのかしら?
お仕事でトラブルなのかしら?と思いながら、
ダイニングテーブルを拭いた。