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100万本の赤い薔薇
第6章 嵐の夜
長谷川は帰宅する前に、
カルティエに寄ると、ネジで留めるブレスレットを買った。
そして、花屋にも寄ると、赤い薔薇をあるだけ包んで貰った。

ちょうど、マンションの前で、
モカを連れた茉莉子と、茉莉子より背が高い少年に追いついた。

「ただいま」と後ろから声を掛けると、
茉莉子がびっくりした顔で振り返った。

「今日は早かったんですね。
あら?スーツじゃないの、珍しい」と言った。

「拓人くんに挨拶したいから、このまま部屋に行っても良いかな?」と言って、3人でエレベーターに乗った。

部屋に入ると、拓人がモカの脚を洗ってタオルで拭いた。

「2人とも手を洗ってうがいしてね」と言われて、
2人並んでうがいと手洗いをした。


リビングに戻ると、

「はじめまして、拓人くん。
長谷川亮太です。
コンクールでご一緒した長谷川結依の父親だ。
結論から言うと、お母さんの茉莉子さんにゾッコン惚れていて、
結婚したいと考えてる。
ただ、お母さんは、拓人くんを一番に考えているので、
拓人くんとのことがきちんと整理されないと、
結婚はしてくれないだろうと思ってる。
思ってはいるけど、気持ちはハッキリ伝えておきたいので、
この場でプロポーズの予告をさせてもらうよ」

一気に拓人に言うと、
長谷川は跪いて薔薇の花束を茉莉子に渡した。

「100万本はなかったけど、ありったけの赤い薔薇だよ」

茉莉子は薔薇を受け取り、瞳を閉じて香りを吸い込んだ。


長谷川は更に、カルティエの紅い箱を取り出して開けた。

「指輪はサイズが判らないし、
今日は正式のプロポーズじゃなくて予告だから、
ブレスレットにした。
結婚を前提にお付き合いしてください。
お願いします」と、ブレスレットを茉莉子に差し出した。


「まあ、私…」
と、戸惑いながら長谷川と拓人を交互に見ると、
拓人が言った。

「このセレモニー、結依が居る時にやってあげれば良かったんじゃない?
後で、仲間外れにされた!とか、良いトコを見逃した!とか、
怒りまくりそうじゃん」

「うっ…」

「長谷川さんが、お母様のこと、大好きだってことは判ったよ。
お母様もでしょ?
それは、ハッピーなことだから良いんじゃない?
僕が長谷川さんのことを好きになるかは、会ったばかりで判んないけどね」と大人びた顔で言った。
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