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100万本の赤い薔薇
第6章 嵐の夜
長谷川は拓人の拳を見て、手首を掴むと自分の方に引っ張って、
拓人を抱き締めた。

「うお。
男同士でなんだよ」と拓人が言うが、
長谷川は離さない。
しかも泣いている。

茉莉子も泣きながら、
結依を抱き締めた。

その時、拓人は結依の涙の理由を知らなかった。
単に感激してるのかと思っていた。


そして、円陣を組むように4人で肩を組んで抱き合いながらひとしきり泣くと、

「なんか、これ、おかしくね?」
と、拓人が呟くと、
全員でドッと笑った。


「さあ、ご飯にしましょ」と茉莉子が言った。


言いながら、
「あら!ご飯炊くの忘れてたわ」と少し慌てる。


急いで大きな土鍋でご飯を炊きながら、
野菜を切り揃えて伊万里の大皿に並べる。

長谷川にカセットコンロをセットして貰い、
鉄鍋と割下を運んだ。


「今日は簡単に、すき焼きにしますね」と、
肉を鍋に入れて少し焼き付けてから、
野菜を並べて割下を注いだ。


賑やかな食事になったが、
どうも、長谷川の食欲がないのが気になった。

お酒も飲まずで、
食事の後も「今日は早めに休む」と言って、下の部屋に降りてしまった。


「なんか、お父さん、具合悪そうだったね」と、結依も気にしている。

「お熱とかないのかしら?体温計持って行って、測って来てもらえる?」
と言ったら、
「茉莉子さん、行ってきたら?
私、食器洗っておくね」と言うので、
体温計とアイス枕を持って、結依に鍵を借りて長谷川の部屋に降りた。


「亮太さん?」

既にベッドに横になっているようだったので、
そっと近づいて、額に手を当ててみた。
やっぱり熱があるようだったので、
アイス枕をタオルで巻いて、頭を両手で起こしながら枕を差し込んだ。

長谷川が目を開けると、

「茉莉子…愛してる」と言いながら、
キスをした。

「お熱、ありますね。大丈夫ですか?」というと、
「鎮痛解熱剤飲んだから」と言って、力無く笑った。

見ると処方箋薬局のものだったので、
通院してたのねと気づいた。

長谷川は手首のブレスレットにそっと触れると手を握り締めながら
「俺が寝るまで、一緒に居て?」と言うので、
頭を撫でながらもたれかかっていた。
暫くすると、薬が効いてきたのか、寝息を立て始めたので、
そっと立ち上がり、灯りを消して自分の部屋に戻った。
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