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100万本の赤い薔薇
第6章 嵐の夜
「あれ?戻ってきたんだ?」と、拓人が揶揄うように言うと、
「そういう言い方、しちゃダメだよ」と、結依がたしなめる。
「亮太さん、病院に行ってたみたいで、処方箋薬局のお薬飲んでたわ。
お熱もあるみたいだから、明日の朝、様子を見て、病院かな?
風邪とかうつる病気だといけないから、
結依ちゃん、今日もこちらで寝てね」と言った。
いずれにしても、明日は土曜日で、
全員、学校も仕事も休みだ。
翌朝、長谷川はボサボサの寝癖頭で茉莉子の部屋に現れた。
「もぉ!
そんな格好じゃ茉莉子さんに嫌われちゃうよ?」と結依が言うが、
「良いじゃない。
朝食出来るまで、ソファに座っててくださいな」と言って、
日経新聞を渡した。
「ありがと。茉莉子」と言って、
真剣な顔で新聞を読み出したので、茉莉子はキッチンに戻って1人分ずつプレートにハムエッグとサラダ、トーストを載せていく。
結依がカフェオレを入れると、
「亮太さん、拓人さんを起こして来てください」と茉莉子が声を掛けた。
「おー」と返事をして、拓人のドアをノックして声を掛けてが、返事がない。
「ドア、開けるぞ」と言いながらドアを開けると、
少し慌てた様子で拓人がベッドの上で身体を起こすのが見えた。
「察した」長谷川は、
「手を洗ってくるんだぞ」と言って部屋を出た。
もう、そんな歳か。
そうだよな。
そんなことを思いながら食卓についた。
遅れて拓人もダイニングテーブルにつくと、
静かに4人の朝食が始まった。
食事をしながら、茉莉子はさりげなく長谷川の様子を見て、
昨日より顔色も良く、食欲もあるので、少し安堵した。
食事が終わると、茉莉子は長谷川に少し深刻な顔をして言った。
「あの…報告したいことがあります」
「ん?どうした?」
「結依ちゃんも聞いて。
拓人さんがこちらに来てくれて一緒に住みたいと言ってくれました。
それで、昨日、弁護士事務所に行って、
すぐに親権をこちらに移す為に家裁にアクションを起こしていただきました」
「良かったじゃないか!」と、すぐに長谷川が言うと、
茉莉子は少し心配そうに続けた。
「でも…
あちらが拓人さんを取り戻そうとして、
拉致しようとしたり、何かするかもしれないと言われました」
「確かに、何かに固執すると、
とんでもないことをするヤツもいるからな」と長谷川が言った。
「そういう言い方、しちゃダメだよ」と、結依がたしなめる。
「亮太さん、病院に行ってたみたいで、処方箋薬局のお薬飲んでたわ。
お熱もあるみたいだから、明日の朝、様子を見て、病院かな?
風邪とかうつる病気だといけないから、
結依ちゃん、今日もこちらで寝てね」と言った。
いずれにしても、明日は土曜日で、
全員、学校も仕事も休みだ。
翌朝、長谷川はボサボサの寝癖頭で茉莉子の部屋に現れた。
「もぉ!
そんな格好じゃ茉莉子さんに嫌われちゃうよ?」と結依が言うが、
「良いじゃない。
朝食出来るまで、ソファに座っててくださいな」と言って、
日経新聞を渡した。
「ありがと。茉莉子」と言って、
真剣な顔で新聞を読み出したので、茉莉子はキッチンに戻って1人分ずつプレートにハムエッグとサラダ、トーストを載せていく。
結依がカフェオレを入れると、
「亮太さん、拓人さんを起こして来てください」と茉莉子が声を掛けた。
「おー」と返事をして、拓人のドアをノックして声を掛けてが、返事がない。
「ドア、開けるぞ」と言いながらドアを開けると、
少し慌てた様子で拓人がベッドの上で身体を起こすのが見えた。
「察した」長谷川は、
「手を洗ってくるんだぞ」と言って部屋を出た。
もう、そんな歳か。
そうだよな。
そんなことを思いながら食卓についた。
遅れて拓人もダイニングテーブルにつくと、
静かに4人の朝食が始まった。
食事をしながら、茉莉子はさりげなく長谷川の様子を見て、
昨日より顔色も良く、食欲もあるので、少し安堵した。
食事が終わると、茉莉子は長谷川に少し深刻な顔をして言った。
「あの…報告したいことがあります」
「ん?どうした?」
「結依ちゃんも聞いて。
拓人さんがこちらに来てくれて一緒に住みたいと言ってくれました。
それで、昨日、弁護士事務所に行って、
すぐに親権をこちらに移す為に家裁にアクションを起こしていただきました」
「良かったじゃないか!」と、すぐに長谷川が言うと、
茉莉子は少し心配そうに続けた。
「でも…
あちらが拓人さんを取り戻そうとして、
拉致しようとしたり、何かするかもしれないと言われました」
「確かに、何かに固執すると、
とんでもないことをするヤツもいるからな」と長谷川が言った。