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100万本の赤い薔薇
第6章 嵐の夜
「ほら!
卵混ぜておいて!」と言いながら、
ぎこちなく野菜を切る。

「出汁ってなんだろう。
お湯に鰹節の細かいのを混ぜてみようか?
んー」と言いながら、
理科の実験のようにあれこれやる。

「そうだ!拓人くん。
コンビニでアイス買って来て。
Suicaで買えるよね?
茉莉子さん、ハーゲンのバニラが好きだからね」


「なんだよ。パシリかよ」と言いながら、
拓人は外に出た。

茉莉子が帰宅してホッとした気持ちと、
なんだから引っかかるような重い気持ちもあったから、
明るくアッサリした結依との会話が有り難く、
また、外の空気を吸うのも気分転換になった。


コンビニで、ハーゲンのバニラを4個買って、
ついでにコーラも買った。
なんとなくジャンクなヤツが似合いそうな気がしたからだ。


帰宅すると、大騒ぎになっていて、
茉莉子も起きていた。

小麦粉を散らかしてしまった処にモカが突っ込んでしまって、
キッチンが粉まみれだった。
結依も粉っぽく白くなっていて、
茉莉子が、声を立てて笑っていた。


「これ、使えるかしら?」と、
引き出物か何かで貰ったというブルーノのホットプレートを
ダイニングテーブルに出した。

「茉莉子さん!
これたこ焼きとか色々作れるって書いてあるよ」と、
結依が中に入っているレシピブックをめくりながら言った。


「あのさ、結依。
今日はそれより、お好み焼きだよ。
ちゃんと作れるのかよ?
結局お母様がやってるじゃん」と、拓人が口を挟んだ。


4人でテーブルを囲んでの夕食は、
久し振りに感じた。

「ダメ!それ生焼けじゃない?」
「結依、肉の処、多くない?ズルいよ」という感じで、
賑やかな夜になった。

食後にバニラのアイスとコーヒーを飲んでいると、
茉莉子の携帯に着信があった。
佐々木弁護士だった。


「まあ、先程はありがとうございました」
というと、

「こちらの方こそ、ありがとう。
ネームの刺繍見て、泣いちゃったよ」
と言うので、
「まあ!
私の心からの気持ちですわ」と答えた。


電話の後、
「誰から?」と長谷川に訊かれたので、

「佐々木弁護士よ。
コートをダメにしちゃったから同じものをお渡ししたら、
お礼のお電話だったの」


佐々木弁護士はというと、嬉しそうに笑いながら、
刺繍された文字を撫でていた。
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