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100万本の赤い薔薇
第7章 もう一つの嵐
次に2人は、佐々木弁護士の事務所にも立ち寄った。
顔見知りになった受付の女性に挨拶をすると、
すぐに佐々木弁護士が出てきてくれた。
先日通された部屋に案内すると、
「本当に大変だったね」としみじみ言った。
茉莉子はお菓子を手渡しながら、
「これ、おばさまがお好きだった和菓子です。
お2人で召し上がってくださいね」と言った。
そして、あちらの弁護士事務所から相続の件で何かあったら、
佐々木弁護士のところへと話してきたことも伝えた。
もう、関わりを持ちたくないほどの気持ちなんだろうと察して、
話題を変えたのは、佐々木弁護士の優しさだった。
「この前のコートは、本当に嬉しかったよ。
あの刺繍の文字といったら!!
なんか、娘みたいだな。
ありがとう。
真人と再婚してくれたら、娘になるのにな」と笑うが、
「お母様は、長谷川さんと結婚するんですよ」と、
拓人が遮るように言ったので、
茉莉子は少し驚いた顔をした。
「この前、駆けつけてくれた方だな。
誠実そうな男性だったな。
今度こそ幸せになって欲しいよ」としみじみ言った。
急な訪問を詫びながら、事務所から出た。
その後2人は、拓人の学校に行った。
父親が急死したことを伝えて、
親権問題は解決したことと、
これからは落ち着いて通学出来ること、
そしてこれまでの学校側の配慮に対して感謝を述べた。
死因なども深くは訊かれなかったことを幸に、
明日からこれまで通り通学出来ることも伝えてお辞儀をした。
ホッとした気持ちで学校を後にすると、
タクシーで茉莉子の会社に向かった。
社長に拓人を改めて紹介して、
父親が亡くなったので、
これからは何の心配もなくなったことと、
急な休みを取ったことを詫びた。
「良かった!
これからは拓人くんと一緒に居られるんだな」と自分のことのように喜んでくれた。
茉莉子の父の名前を出しながら、
「生きてるうちに拓人くんに会わせたかったな」と涙ぐんだ。
「お母さんには早く伝えてあげなさい。
ニューヨークにいるんだよな?」と言われた。
秘書仲間の林にも拓人を紹介した。
早口の中国語で喋るのを聞きながら、
「お母様、何言ってるか分かんないよ」と言うと、
「拓人くんはお母さんに良く似てますね」とウィンクした。
話が止まらない林を制して、
「明日から出社します」と言った。
顔見知りになった受付の女性に挨拶をすると、
すぐに佐々木弁護士が出てきてくれた。
先日通された部屋に案内すると、
「本当に大変だったね」としみじみ言った。
茉莉子はお菓子を手渡しながら、
「これ、おばさまがお好きだった和菓子です。
お2人で召し上がってくださいね」と言った。
そして、あちらの弁護士事務所から相続の件で何かあったら、
佐々木弁護士のところへと話してきたことも伝えた。
もう、関わりを持ちたくないほどの気持ちなんだろうと察して、
話題を変えたのは、佐々木弁護士の優しさだった。
「この前のコートは、本当に嬉しかったよ。
あの刺繍の文字といったら!!
なんか、娘みたいだな。
ありがとう。
真人と再婚してくれたら、娘になるのにな」と笑うが、
「お母様は、長谷川さんと結婚するんですよ」と、
拓人が遮るように言ったので、
茉莉子は少し驚いた顔をした。
「この前、駆けつけてくれた方だな。
誠実そうな男性だったな。
今度こそ幸せになって欲しいよ」としみじみ言った。
急な訪問を詫びながら、事務所から出た。
その後2人は、拓人の学校に行った。
父親が急死したことを伝えて、
親権問題は解決したことと、
これからは落ち着いて通学出来ること、
そしてこれまでの学校側の配慮に対して感謝を述べた。
死因なども深くは訊かれなかったことを幸に、
明日からこれまで通り通学出来ることも伝えてお辞儀をした。
ホッとした気持ちで学校を後にすると、
タクシーで茉莉子の会社に向かった。
社長に拓人を改めて紹介して、
父親が亡くなったので、
これからは何の心配もなくなったことと、
急な休みを取ったことを詫びた。
「良かった!
これからは拓人くんと一緒に居られるんだな」と自分のことのように喜んでくれた。
茉莉子の父の名前を出しながら、
「生きてるうちに拓人くんに会わせたかったな」と涙ぐんだ。
「お母さんには早く伝えてあげなさい。
ニューヨークにいるんだよな?」と言われた。
秘書仲間の林にも拓人を紹介した。
早口の中国語で喋るのを聞きながら、
「お母様、何言ってるか分かんないよ」と言うと、
「拓人くんはお母さんに良く似てますね」とウィンクした。
話が止まらない林を制して、
「明日から出社します」と言った。