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100万本の赤い薔薇
第7章 もう一つの嵐
4人で暮らす日々が穏やかに始まったが、変わったことといえば、毎日長谷川と結依が夜、同じ家で寝て、朝、一緒に家を出ることくらいだった。
茉莉子と長谷川は毎晩ベッドを共にしたが、キスをして腕枕で眠るくらいで、それ以上のことはなかった。
隣の部屋に子供達が居るからということもあったが、
大変な日々を過ごした茉莉子への気遣いと、
長谷川自身の「身体の問題」もあったからだ。
「身体」というより、「心」の問題だったかもしれない。
うまく勃つかが心の奥で気に掛かっていたからだ。
長谷川は茉莉子に、
「今週はどこかの平日で、あのバーに行きたいな」と言った。
「再会の場所だし、あのママさんにも酔っ払ってたこと、詫びてなかったし」
仕事の量を見て、水曜日の夜にとなった。
子供たちの為に、カレーを作っておいて、
温めは結依頼んで2人はバーで待ち合わせをすることにした。
茉莉子は久し振りに「OPEN」という文字を見ながら重たい扉を押した。
「久し振りね!」とママが温かい笑顔で迎えてくれた。
「色々あって。
あの…今日は待ち合わせなの」と茉莉子は笑っていつもの端のスツールに座った。
カランと小さいベルの音がして次に入ってきたのは長谷川ではなく、健太だった。
「いらっしゃい」とママが声を掛けた。
健太は茉莉子を見て、一瞬驚いた顔をしたが、
躊躇なく隣に座った。
おしぼりを出しながら、
「待ち合わせって?」と2人に笑い掛けると、
茉莉子は柔らかく微笑んだ。
「茉莉子さん、お願いがあるんだ。
明後日の夜、付き合って欲しい。
大阪に帰ることにしたんだけど、その前に…
茉莉子さんにお礼がしたくて」
「大阪?ご実家に?
でも、お礼って?
私、何も…」
「弁当のお礼。良いよね?」
そう言って、時間と駅名を言うと、
茉莉子の返事も聞かずに健太は水も飲まずに席を立った。
ドアを出たところで、
長谷川と健太はすれ違ったが、お互い無言だった。
茉莉子と長谷川は毎晩ベッドを共にしたが、キスをして腕枕で眠るくらいで、それ以上のことはなかった。
隣の部屋に子供達が居るからということもあったが、
大変な日々を過ごした茉莉子への気遣いと、
長谷川自身の「身体の問題」もあったからだ。
「身体」というより、「心」の問題だったかもしれない。
うまく勃つかが心の奥で気に掛かっていたからだ。
長谷川は茉莉子に、
「今週はどこかの平日で、あのバーに行きたいな」と言った。
「再会の場所だし、あのママさんにも酔っ払ってたこと、詫びてなかったし」
仕事の量を見て、水曜日の夜にとなった。
子供たちの為に、カレーを作っておいて、
温めは結依頼んで2人はバーで待ち合わせをすることにした。
茉莉子は久し振りに「OPEN」という文字を見ながら重たい扉を押した。
「久し振りね!」とママが温かい笑顔で迎えてくれた。
「色々あって。
あの…今日は待ち合わせなの」と茉莉子は笑っていつもの端のスツールに座った。
カランと小さいベルの音がして次に入ってきたのは長谷川ではなく、健太だった。
「いらっしゃい」とママが声を掛けた。
健太は茉莉子を見て、一瞬驚いた顔をしたが、
躊躇なく隣に座った。
おしぼりを出しながら、
「待ち合わせって?」と2人に笑い掛けると、
茉莉子は柔らかく微笑んだ。
「茉莉子さん、お願いがあるんだ。
明後日の夜、付き合って欲しい。
大阪に帰ることにしたんだけど、その前に…
茉莉子さんにお礼がしたくて」
「大阪?ご実家に?
でも、お礼って?
私、何も…」
「弁当のお礼。良いよね?」
そう言って、時間と駅名を言うと、
茉莉子の返事も聞かずに健太は水も飲まずに席を立った。
ドアを出たところで、
長谷川と健太はすれ違ったが、お互い無言だった。