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100万本の赤い薔薇
第7章 もう一つの嵐
ドアが開いて、長谷川が入ってきた。
「いらっしゃい。あら、長谷川さんだったのね?」とママが言いながら、健太にと出したおしぼりをそっと下げた。
「一度しか来てないのに名前、覚えてくれてましたか」
「だって、あんなに茉莉子さんに猛烈アタック掛けて、
次回の飲み代まで置いて行ってたから」とママに言われて、
長谷川は頭を掻いた。
「何にされますか?」と言われて、
茉莉子は「いつものを2つ」と言うと、
ママは氷を入れたロックグラスにマッカランを注ぎ2人に渡して、
水も添えた。
「ママもお好きなものを」と長谷川が言うので、
ギネスを注いだ。
きめ細かい泡が少し落ち着くのを待って、
3人で乾杯した。
ロックグラスの中の氷が、カランと音を立てた。
「で?おめでたい話なのね?」と、ママが口火を切った。
2人は見つめ合うと、茉莉子は顔を赤らめて下を向いた。
「俺たち、結婚しようと思ってます。
再会出来たのがこのバーだったので、
ママにご挨拶をと」
「まあまあ、素敵な話じゃない?
律儀に私なんて、良いのに!」と豪快に笑う。
「茉莉子さんのファン、ここには沢山居るから、
長谷川さん、大変よ」
「あら!そんな…」
「さっきまで居た健太くんだって、
泣くわね!」と続けた。
「いや、誰が泣こうと喚こうと、
茉莉子のことは誰にも譲りません」と、
長谷川がキッパリ言うと、
「ご馳走さま」と言いながら、次に来た客の方に注文を取りに行ってしまった。
「ファンって…
なんか心配になってきた。
早く結婚しないとな」と、長谷川が少し心配な顔をするので、
「嫌だわ。ママが揶揄ったのよ」と茉莉子がそっと長谷川の手を握って答えた。
「抱きたい」
長谷川が耳元で囁くので、茉莉子の耳が紅く染まる。
長谷川は、茉莉子の手を引いて立ち上がると、
「ママ、勘定足りてるよね?
残りはママとマスターで飲んじゃってください」と言って、
茉莉子の手を引いて外に出た。
脇道に入り、暗がりで激しくキスをしながら、
胸元を弄った。
「はぁ…亮太さん。
恥ずかしいわ」
「待てないよ」
「でも…」
「判ったよ」と言い、長谷川は茉莉子の額にキスをすると、
表通りに出てタクシーを止め、
「近くて悪いけど」と、マンションの住所を告げた。
「いらっしゃい。あら、長谷川さんだったのね?」とママが言いながら、健太にと出したおしぼりをそっと下げた。
「一度しか来てないのに名前、覚えてくれてましたか」
「だって、あんなに茉莉子さんに猛烈アタック掛けて、
次回の飲み代まで置いて行ってたから」とママに言われて、
長谷川は頭を掻いた。
「何にされますか?」と言われて、
茉莉子は「いつものを2つ」と言うと、
ママは氷を入れたロックグラスにマッカランを注ぎ2人に渡して、
水も添えた。
「ママもお好きなものを」と長谷川が言うので、
ギネスを注いだ。
きめ細かい泡が少し落ち着くのを待って、
3人で乾杯した。
ロックグラスの中の氷が、カランと音を立てた。
「で?おめでたい話なのね?」と、ママが口火を切った。
2人は見つめ合うと、茉莉子は顔を赤らめて下を向いた。
「俺たち、結婚しようと思ってます。
再会出来たのがこのバーだったので、
ママにご挨拶をと」
「まあまあ、素敵な話じゃない?
律儀に私なんて、良いのに!」と豪快に笑う。
「茉莉子さんのファン、ここには沢山居るから、
長谷川さん、大変よ」
「あら!そんな…」
「さっきまで居た健太くんだって、
泣くわね!」と続けた。
「いや、誰が泣こうと喚こうと、
茉莉子のことは誰にも譲りません」と、
長谷川がキッパリ言うと、
「ご馳走さま」と言いながら、次に来た客の方に注文を取りに行ってしまった。
「ファンって…
なんか心配になってきた。
早く結婚しないとな」と、長谷川が少し心配な顔をするので、
「嫌だわ。ママが揶揄ったのよ」と茉莉子がそっと長谷川の手を握って答えた。
「抱きたい」
長谷川が耳元で囁くので、茉莉子の耳が紅く染まる。
長谷川は、茉莉子の手を引いて立ち上がると、
「ママ、勘定足りてるよね?
残りはママとマスターで飲んじゃってください」と言って、
茉莉子の手を引いて外に出た。
脇道に入り、暗がりで激しくキスをしながら、
胸元を弄った。
「はぁ…亮太さん。
恥ずかしいわ」
「待てないよ」
「でも…」
「判ったよ」と言い、長谷川は茉莉子の額にキスをすると、
表通りに出てタクシーを止め、
「近くて悪いけど」と、マンションの住所を告げた。